あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「子供たちを信じる」
 小津(田村正和)と加藤(ユースケ・サンタマリア)が朝の登校中で、小津はふと「バスケ部の連中が練習するそうだ」と加藤に漏らす。驚きのけぞる加藤・・・・・・。
 実際、2年1組の浩二(森山未來)、光(脇知弘)、章夫(池田貴尉)、淳(忍成修吾)も1年の健太(勝地涼)もバスケのウエアを用意して登校していた。
 が、佐野(小日向文世)は、鹿松(谷啓)校長に「休部の決定を守るようにしてくれ」と詰め寄っていた。鹿松は娘で教師のまなび(西田尚美)に「君は偉くならないといけないので、君が決めなさい」と、彼女の判断に任せている。
 放課後、体育館に教師たちが集まった。バスケ部員を待っている小津や加藤。女子部の顧問のみゅー(瀬戸朝香)、さらにそれを止めさせようという佐野やまなび。そこへ浩二たちがやって来た。
 「あんたには関係ない」「ここにいるな」と小津を拒否する部員たち。唯一、章夫だけは小津を笑顔で見ている。
 光がボールを小津に向かって投げつけた。小津はコートに落ちているゴミを拾う振りをしてそれをよける。そのボールは加藤の額を直撃、加藤は失神してしまった。それを見た佐野は「君のしたことは殴ったのと同じだ」と激昂、問題にすると息巻く。
 小津はその足で章夫の家へ向かった。事務所兼住宅には父親の真司と銀行員二人がいた。真司は事務所を畳んで北海道に移ると言う。小津には、銀行との融資トラブルがあることが見ていて判る。自分も彼らのようだった・・・・・・と。
 小津はみゅーをスポーツバーに呼び出した。まるで若い女性を口説くエグゼクティブのように接する小津にみゅーはときめきそうになるのだが、小津の用件は別だった。「休部になる前に急いで練習試合の相手を探してくれ」
 小津が家に帰ると、加藤と一葉(京野ことみ)がいる。小津は3人でバスケ部の練習計画を練り始めた。まるでビジネスの組織マネジメントを指揮するかのように的確に計画を立てる小津を見て、驚く二人。「経営もスポーツも人材管理課だ」と小津は言い放つ。
 翌日の早朝、小津は体育館をのぞいた。女子部の練習に交じって章夫が来ている。章夫は携帯が止められメールが打てなくなったと言う。メール相手は別れた母親だったとつぶやく。小津は章夫に「うまくなりたいか? ならドッジボールのようにボールを壁に向かって投げ続けろ」と指導する。章夫は怒ったように壁にボールを投げ続けた。そこへ、みゅーが「練習試合が取れた」と報告に飛び込んできた。
 職員室では、佐野が、光がカトケンにボールをぶつけたことでの処分を提案していた。「あいつらにスポーツする資格なんかない、バスケ部は廃部だ」と佐野。何故生徒達を信用しないのか、小津は疑問だった。
 一方、まなびも話しがあると言って小津を誘った。まなびの頼みとはバスケ部の廃部を、まなびの代わりに伝えることだった。「12月までやらせたら?」と小津。
 「近づいたら裏切られる。私怖いんです」とまなびは悲痛な叫びをあげるのだった。
 練習試合が始まった。小津は一葉を誘って見物している。廃部を言い渡すために佐野とまなびもいる。前回とは違って頑張る部員たち。だが、点差は広がる一方である・・・・。

<第5回> 「先生と生徒の恋」
 小津(田村正和)は久し振りに娘の、絵理(水川あさみ)に会った。化粧の濃くなった絵理は「父親なんか忘れた」・・・・・・こう言い捨てて、立ち去って行った。苦り切る小津であった。
 光陰学園高校は小津のせいか、少しずつ変化が現れてきていた。光(脇知弘)は小津に従順になったし、まなび(西田尚美)も少しづつ強くなってきた。
 そんな中、剛(EITA)と未句(中川愛海)が遅刻してやってきた。佐野(小日向文世)とまなびが見咎めると、剛は開き直り、一葉(京野ことみ)と淳(忍成修吾)が昨晩デートしていたというのだ。息を呑む教師二人。
 休み時間、章夫の穴を埋めるため、小津は、加藤(ユースケ・サンタマリア)とみゅー(瀬戸朝香)に長身の者をスカウトするよう頼んだ。小津は体育館で、加藤が連れてくる男子生徒一人一人にボールを投げつけテストするが、期待に添う生徒はいない。そこへ偶然、剛がやって来た。加藤は無理やり剛を小津の前に押し出した。剛はボールも見ずに受け止めた。小津の目が光った。シュートさせてみると、ゴールは3本とも外れるが、その正確な球筋を小津は見逃さなかった。
 そのころ校長室には、淳の父親孝正が怒鳴り込んできていた。
 「子供を預けているんです。壊して返すような真似をしたら許しませんから。明日までに納得いく説明を」と孝正は言い残し、立ち去った。

 剛は浩二たちを誘って渋谷に出た。「バスケ部なんてやめちゃえ」。剛は何かと部員を煽り、遊ぶように仕向ける。浩二たちはそのまま渋谷のビルの谷間で3オン3のバスケに興じるのだった。
 職員室では、一葉に事情を聞いていた。「なんとなく。歩きながら話を・・・・・・。すいません」と一葉。「すいませんですむの!?一線は守らなきゃ。親としては許せないことなんだ。軽率だ」と、いつになくきつい口調の小津であった。
 夜になって小津と加藤は酒を飲んでいた。加藤は、小津が一葉を正論で追い詰めたのが不思議だった。小津は逆に加藤の過去を聞き出そうとした。加藤は前の学校で、ある女生徒に慕われ、特別な感情はないと通告したために逆恨みされて根も葉もない噂を流され、結局学校を辞めざる得なかったのだと言う。「生徒との距離の持ち方は難しい」と言う加藤。小津は黙って聞いていた。
 翌日、孝正が校長室へ訪れた。一葉の処分が「訓戒」と聞いて、孝正は淳に学校を辞めさせると申し入れた。ショックを受けた一葉は自分が辞めると言い出す。
 二人が学校を辞めるかもしれない。浩二は小津に「あいつは親に甘えたことがないんだ。だから先生に甘えたかったんだ。あいつは悪くない」と熱く語る。
 また、一葉は何故、生徒の誘いについていってしまったのか。小津は一葉から、彼女の胸のうちを垣間みるのだった。

 小津、加藤、一葉は、孝正の働く証券会社の本社を訪れた。孝正の席の応接セットには、すでに息子の淳が座っている。「私のどこを見ていたんだ」と息子をなじる孝正を見ていた小津が口を挟んだ。「見てたんだよ、あんたを。だから、いろいろやったのさ。あんたは誰の言葉も聞いていない。誰とも関係していない。いないのと一緒だ。幽霊なんだ。俺と一緒の糞野郎だ」

<第6回> 「体罰を認めるのか」
 章夫がいなくなった穴をうめ、剛(EITA)がバスケ部に加入し、練習を始めた。しかし、抜きん出てうまい剛は、浩二(森山未来)たちを無視し自分一人で勝手にゴールを決める。さらに、それだけではなく、キャプテン風を吹かせ始めた。章夫が残していった赤いタオルをお守り代わりにする光(脇知弘)は、その態度に腹を立て、剛と諍いを始めた。
 加藤(ユースケ・サンタマリア)が、小津(田村正和)に助けを求めた。小津は、「章夫のために試合に勝ちたいのだろう、じゃキャプテンは剛だ」と言い渡し、剛に「ゴールが見えたら打て」と言う。剛はほくそ笑み、浩二たちはふて腐れる。剛は一人でシュートを打ちまくり、勝手に休憩を指示、傍若無人の振る舞いである。そんな剛を見て、みゅー(瀬戸朝香)は竹刀を剛の額に振り下ろしてしまう。
 佐野(小日向文世)やまなび(西田尚美)はみゅーの体罰を責め、竹刀を取り上げようとするが、みゅーは厳しいしつけも必要と、自分の信念を語り、佐野たちのもとから竹刀を手に出て行くのだった。
 翌日から、みゅーの授業のボイコットが始まった。剛の恋人・未句(中川愛海)が扇動しているらしい。みゅーは気丈にボイコットを無視、佐野や鹿松校長(谷啓)の注意にも耳を貸さなかった。しかし、さすがのみゅーも落ち込んでいるようで、そんな彼女を加藤は慰めようとするが、空回りするばかりである。小津も「先生は生徒の親にはなれないよ」と諭す。
 ある日小津は、まなびにバスケ部の試合を申し込んでくれ、と頼んだ。相手は娘の絵理(水川あさみ)の高校だった。
 バスケ部は相変わらず剛がワンマンショーを繰り広げ、光らは苛立ちを隠さなかった。加藤らが心配する中、小津は「何とかするでしょ、あいつらが」と涼しい顔である。
 だがある日、健太(勝地涼)が、つい、もらした。「こんなんで勝っても、章夫先輩喜んでくれるかな」メンバーが今なお章夫ばかりを思っていることが癪にさわった剛は、結び止めてあった章夫のタオルを乱暴に投げ捨て、立ち去って行った。そんな剛の気持ちを思う浩二。
 そんな時、絵理の高校のバスケ部から試合の申し込みが入った。絵理が顧問に連絡したのだ。


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