夜桜お染
#2 金の仏像
菊川座で二代目菊川春太郎(鏡味仙三)の襲名披露興行が行われ、ご祝儀の品が集まった。一座の者がそれを大八車に乗せて神田の献残屋・佐野屋に売りに行く。献残屋は、大名など付け届けの多いところから貰い物を買い取り、それをまた売る商売。お染(若村麻由美)もついて行ったが、たいした金にならなかった。佐野屋でお染は、以前屋根から金の仏像を落とし、それを探していた音次(片岡愛之助)の姿を見た。
春太郎は以前、巡業先の信州諏訪大社で、早く二代目を襲名出来るようにと願掛けをしていた。願いがかなってお礼参りが必要だが、舞台があり江戸を離れられない。そこでお染が代参を頼まれた。
幕府の諸国探索方の吉川帯刀(古谷一行)配下の隠密たちが集まり、集まった情報の分析をしていた。越前の海岸に、難破した船の水夫三人の死体が打ち上げられ、近くの浜辺に積荷が流れ着いた。仏像など、抜け荷の取り引き相手の異国人が喜ぶ品ばかりだった。帯刀はお染に、越前で難破船の持ち主を突き止めるよう頼んだ。一度は断ったが、父親の富蔵も、越前に行った直後に火事で死んだことを帯刀から聞かされ、引き受けた。
まず諏訪大社に参拝してから越前へ向かう。元信州阿賀山藩士だった浪人の石室新十郎(内藤剛志)も同行することになった。代参は無事終わり、二人は越前に入る。津崎という港町でお染は単独行動を取ることにした。お染は変装し、越中の船乗りの女房ということで飲み屋で働くことになった。「亭主が三月も帰って来ないので心配で」と言って、いろいろな船の話を聞こうとする。
お染がただ者ではないと、抜け荷の一味の男が見抜いた。二人の浪人がお染に、「首を突っ込むな」と言う。お染が断ると斬りかかるが、お染は浪人の刀を奪う。二人は逃げたが、一人が手ぬぐいを落とした。「つ」の字が染められていた。そこに漁師風の男・辰三が現れ、「お染さんだね」と言って白い紐を懐から垂らす。帯刀の部下であることを示す取り決めだ。そして、「江戸に戻れ」との帯刀の伝言を伝え、木箱を渡した。お染は江戸に帰った。江戸では水夫らしい男が二人殺されていた。帯刀は、二人は越前で難破した船の水夫で、江戸にいる船主を頼って来たものの、口封じのために殺されたと考えた。それで、探索は江戸でも出来ると判断したのだ。
辰三が渡した木箱は越前の浜に打ち上げられた積荷で、中味は金の仏像だった。お染は音次のことを思い出した。帯刀は、金の仏像の絵が描かれた高札を出して、持ち主は名乗り出よと呼びかけた。一味の動きを探るためだ。
音次が佐野屋に行き主人の伊三郎(遠藤憲一)に、自分が持ち込んだ仏像を誰に売ったのかと聞くが、伊三郎は取り合わない。
深川の廻船問屋の津田屋では、主人の庄三郎(西田健)と番頭の市太郎(坂田雅彦)が険しい顔で話していた。津田屋こそ抜け荷の張本人で、異国人への土産を佐野屋で買っていた。お染より先に帰った新十郎は、その津田屋の用心棒になっていた。
それが気になったお染は津田屋の前まで行く。看板の隅には「つ」の印。津崎で拾った手ぬぐいと同じだ。その時、津田屋から四、五人の浪人が現れて路地の奥に消える。お染がつけると、佐野屋の伊三郎を斬ろうとした。新十郎もいたが伊三郎はなかなか強い。お染の姿を見て、もともと気乗りのしなかった新十郎は用心棒を辞めた。
お染と新十郎が津田屋に乗り込んで手ぬぐいを見せ、「金の仏像がくるまれていた」と言う。音次も現れた。すると奥からヤクザたちが出てきて、お染ら三人と大立ち回り。用心棒たちを倒し、蔵の中から禁制の品である、香水や人参や火薬を見つけた。奉行所が庄三郎と市太郎らを捕らえ、まずは一件落着した。
春太郎は以前、巡業先の信州諏訪大社で、早く二代目を襲名出来るようにと願掛けをしていた。願いがかなってお礼参りが必要だが、舞台があり江戸を離れられない。そこでお染が代参を頼まれた。
幕府の諸国探索方の吉川帯刀(古谷一行)配下の隠密たちが集まり、集まった情報の分析をしていた。越前の海岸に、難破した船の水夫三人の死体が打ち上げられ、近くの浜辺に積荷が流れ着いた。仏像など、抜け荷の取り引き相手の異国人が喜ぶ品ばかりだった。帯刀はお染に、越前で難破船の持ち主を突き止めるよう頼んだ。一度は断ったが、父親の富蔵も、越前に行った直後に火事で死んだことを帯刀から聞かされ、引き受けた。
まず諏訪大社に参拝してから越前へ向かう。元信州阿賀山藩士だった浪人の石室新十郎(内藤剛志)も同行することになった。代参は無事終わり、二人は越前に入る。津崎という港町でお染は単独行動を取ることにした。お染は変装し、越中の船乗りの女房ということで飲み屋で働くことになった。「亭主が三月も帰って来ないので心配で」と言って、いろいろな船の話を聞こうとする。
お染がただ者ではないと、抜け荷の一味の男が見抜いた。二人の浪人がお染に、「首を突っ込むな」と言う。お染が断ると斬りかかるが、お染は浪人の刀を奪う。二人は逃げたが、一人が手ぬぐいを落とした。「つ」の字が染められていた。そこに漁師風の男・辰三が現れ、「お染さんだね」と言って白い紐を懐から垂らす。帯刀の部下であることを示す取り決めだ。そして、「江戸に戻れ」との帯刀の伝言を伝え、木箱を渡した。お染は江戸に帰った。江戸では水夫らしい男が二人殺されていた。帯刀は、二人は越前で難破した船の水夫で、江戸にいる船主を頼って来たものの、口封じのために殺されたと考えた。それで、探索は江戸でも出来ると判断したのだ。
辰三が渡した木箱は越前の浜に打ち上げられた積荷で、中味は金の仏像だった。お染は音次のことを思い出した。帯刀は、金の仏像の絵が描かれた高札を出して、持ち主は名乗り出よと呼びかけた。一味の動きを探るためだ。
音次が佐野屋に行き主人の伊三郎(遠藤憲一)に、自分が持ち込んだ仏像を誰に売ったのかと聞くが、伊三郎は取り合わない。
深川の廻船問屋の津田屋では、主人の庄三郎(西田健)と番頭の市太郎(坂田雅彦)が険しい顔で話していた。津田屋こそ抜け荷の張本人で、異国人への土産を佐野屋で買っていた。お染より先に帰った新十郎は、その津田屋の用心棒になっていた。
それが気になったお染は津田屋の前まで行く。看板の隅には「つ」の印。津崎で拾った手ぬぐいと同じだ。その時、津田屋から四、五人の浪人が現れて路地の奥に消える。お染がつけると、佐野屋の伊三郎を斬ろうとした。新十郎もいたが伊三郎はなかなか強い。お染の姿を見て、もともと気乗りのしなかった新十郎は用心棒を辞めた。
お染と新十郎が津田屋に乗り込んで手ぬぐいを見せ、「金の仏像がくるまれていた」と言う。音次も現れた。すると奥からヤクザたちが出てきて、お染ら三人と大立ち回り。用心棒たちを倒し、蔵の中から禁制の品である、香水や人参や火薬を見つけた。奉行所が庄三郎と市太郎らを捕らえ、まずは一件落着した。