2003年7月31日(木)放送 みどころ

#17 ベンサムの『道徳および立法の原理序論』

『最大多数の最大幸福』、わかりやすくいうと、何かをやるとき(特に役所や企業が)は出来るだけ多くの人が喜ぶようなことをするべき、という考え方。現代に生きる人ならば「そんなの当り前でしょ?」と思うところだが、実はこれ、18世紀末にイギリスのベンサムという社会思想家が初めて唱えた思想であり、それまで何となく曖昧なままコトが進んでいた政治・経済のあり方に誰もが納得できる単純明快な基準をもちこんだ画期的な思想なのである。番組では、より多くのお客様へ、より明るい笑顔を与えるべく日夜努力を怠らないアミューズメントパークを喩えに「道徳及び立法の原理序論」(本文中のフレーズが一人歩きしたため、肝心の本の知名度ゼロですが今回のテーマ本はコレ)をわかりやすく解説します。

<番組豆知識>
●番組中で紹介するベンサム、最大多数の最大幸福、アミューズメントパークなどのキーワードよりも巨大なハリセンのことが頭にこびりついて離れない不思議な回だ。
●政治・経済に多大な影響を与える社会思想(ベンサム、アダム・スミス、モンテスキューなど)は、今でも貪欲に活用されているので新鮮味がなく、面白く構成するのに一苦労する。比較的、哲学が扱いやすいのは、その学問が我々の生活(=欲望→金・地位・愛など)と結びついていないため知る驚きがある、ということなのかもしれない。

キャスト

本の案内人:白井 晃
読書界の寅さん:石井正則
今週のマドンナ:根本はるみ
ナレーター:服部 潤

スタッフ

企画:小山薫堂
構成補:内田ぼちぼち
ディレクター:沼尾純也

バックナンバー