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<第10回> 『サンタクロース』
 直季(木村拓哉)は直巳(夏八木勲)の元を訪ね、15年前の事件について迫る。しかし直巳は確かにその場にはいたが、事件とは関わり合いのないことを直季に説明する。
 再び敬太(ユースケ・サンタマリア)と中華街で春絵(横山めぐみ)の張り込みを始める直季。敬太が掴んできた情報によると、国府(陣内孝則)らしき男がサンタクロース姿のサンドイッチマンとして近所に現れたらしい。 
 数日後、中華街に、赤い衣装を身にまとったサンタクロースが現れる。
 子供たちの嬌声を振り払うかのようにやってきたサンタクロースは、直季が見張っていたアパートに入って行く。一人きりだった直季は、アパートから町工場の廃墟へと逃走するサンタクロースを追いかける。しかし、そこで直季は不意打ちを食らう。鉄材が降り下ろされる。
 倒れて身じろぎしなくなった直季に、それ以上攻撃を加えることをやめたサンタクロースは、顔を覆っていた髭のマスクを外し、その場を去ろうとする。その時、朦朧とした意識の中、直季は手にしていたカメラをサンタにむけ、シャッターを切った。サンタクロースは再び直季を襲おうとしたが、それは集まってきていた子供たちによって遮られてしまう。
 病院で精密検査を受けることを拒み、直季はアパートに横たわっていた。敬太に知らせを受けた実那子が真っ先に駆けつける。自分のせいで傷だらけになっている直季に涙する実那子。それでも直季は「大切な思い出が眠っている、俺達の眠れる森に行こう」と呟く。疲れて寝息を立てる直季の顔にそっと手を伸ばす実那子。しかし思いとどまり、部屋を去っていく。残された直季の頬にも一粒の涙がこぼれる。
 そして入れ替わるようにやってきた由理(本上まなみ)は、悪夢にうなされる直季が、うわごとの中で「敬太、フィルムだ、急いで現像を・・・」と訴えるのを聞く。
 敬太から事情を聞いた由理は、直季に内緒でフィルムを現像する。 そこに写っていた犯人の顔を見て驚愕する由理。そして新たな悲劇の幕が開く・・・。

<第11回> 『殺人者』
 直季(木村拓哉)は、自分が撮った写真が原因で由理を失ってしまったと激しい自責の念にかられる。警察に国府を指名手配してもらうよう敬太(ユースケ・サンタマリア)は言うが、直季は事件当夜の由理の足取りを独自に探り始める。
 同じ頃、オーキッドスクエアの実那子(中山美穂)の元に由理からの手紙が届いていた。そこには一枚の写真を見て謎が解け始め、確信を得るためにある人物と会おうとしていること、実那子は自分の過去から目を離すべきではない、負けないでほしいということがしたためられていた。そして最後に『わたしも負けません。直季と苦しみを分けあい幸せになるつもり』だとも。
 自分たちばかりが幸せになることをためらう実那子。しかし輝一郎は、国府の脅しに屈せず、立ち向かうべきだと言う。
 その頃、直季は由理とよく来ていた東京タワーが一望できるあるビルの屋上にいた。最上級のウォッカを敬太に買いにいかせ、そこで二人きり、由理の葬式をはじめようというのだ。
 直季は由理の殺害現場はこの屋上だと限定した上で、意外な推理を敬太に投げかける。「あの写真はサンタクロースの正体を撮影した。15年前の殺人事件の真犯人だ。 写真は大金に変わる。それを手に入れたかった人間がサンタクロースの他にもう一人いたんじゃないか・・・」。
 ここまで聞いた敬太は急に焦りの色を浮かべた。
「どうした?その腕の引っ掻き傷は」。さらに迫る直季の鬼気迫る表情に、敬太はいたたまれずに全てを打ち明け始める・・・。

<第12回>
 実那子は15年前の真実を知るために直季と共に直巳のコテージを訪れる。直巳は催眠療法を施して実那子の記憶の扉を開ける。記憶は包丁を握り、返り血を浴びた犯人が国府だったことを実那子に告げる。また実那子は記憶の時間旅行の中で、タイムカプセルに埋めた父親の写真も見る。それは他ならぬ直巳だった。直季と実那子は兄弟だった。「幸せになれよな」今は仲のいい姉のように実那子に言える直季。駆けつけた輝一郎に、実那子は凛とした面もちで「犯人は国府だった」と言う。
 クリスマスイブ、大型クルーザーが出航する。その中にはウエディングドレスの実那子、タキシードの輝一郎、離れたフロアには直季の姿もあった。そしてウェイターに変装した国府の姿も。船上での結婚式が始まろうとした矢先、直季の携帯に刑事から連絡が入る。「敬太が最後にかけた番号が分かった。相手の場所が電波から特定できた。君が今いる船の上だ」。


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