偽りの花園
蛭のような妻
ひかるが美琶子の肖像画と同じ顔の人物に会った日から、二、三日後。今度は店のタキが美琶子と瓜二つの女性を目撃する。何か不気味な思いで顔を見合わせる美禰子と丹。そんな折、顕彦からの使いだといって、美禰子のもとに饅頭が届く。権蔵がまっさきにそれを頬張るが、まもなく権蔵はうめきながら倒れる。どうやら饅頭の中に毒が入っていたらしく、危うく権蔵は死にかける。それからまもなく、美禰子と顕彦がホテルで密会していると、ユリエが狂ったようにドアを蹴り続ける。ユリエに見つからないよう顕彦は美禰子を逃すが、ユリエは顕彦にすがりつき、ヒルのように死ぬまで顕彦にへばりついてやると…。