偽りの花園
7歳の姫君
七年後、昭和十七年十一月。美禰子が出産した顕彦の子は「ひかる」と名付けられ、七歳の愛らしい少女に成長した。美禰子は丹の片腕として、店を手伝っている。ようやく茜が、美禰子がニセモノであったことを熙道に告げる。驚いた熙道は心臓発作で倒れる。絶対安静の煕道だったが、美禰子が顕彦の子を産んだことを知り、今浜に会いに行く。熙道は、顕彦を満州から呼び戻し、美禰子を顕彦の嫁として早瀬川家に迎えたい、ときりだす。新橋から帰宅した直後、熙道が倒れ、そのまま帰らぬ人となる。丹と美禰子は通夜に駆けつけるが、栄子から取り付く島もなく追い返される。