偽りの花園
決められた縁談
早瀬川家での最初の夜、美禰子は一カ月後に婿養子をとることを知らされ、唖然とする。丹も承知のはずだというが……。その頃、拘置所の顕彦から美禰子に宛てた手紙が、新橋の店へ届く。それを読んだ丹と権蔵は顔色を変える。翌日、美禰子の結婚相手、男爵家の寛治郎が早瀬川家へ来る。軽薄な感じのする寛治郎を、美禰子はあまり好きになれない。寛治郎は義理の姉だった栄子に取り入り、抱きしめてキスする。それからまもなく、顕彦の面会に行った家令の磯崎が、顕彦の恋人が美禰子だったことを知る。磯崎は茜に報告。茜はここだけの秘密にすることを約束させる。