僕の生きる道
僕の生きる道
2003年3月18日(火)放送終了

放送内容詳細

 大学入試のシーズンがきた。3年G組の生徒たちはこれまで勉強と合唱を両立させて頑張ってきた。「自分の力を信じて受験にのぞんでください」。生徒たちを激励した秀雄(草なぎ剛)は病院へ向かった。「先生の予想、はずれましたね」「えっ?」。金田医師(小日向文世)からは当初、余命1年の宣告を受けていたが、すでに1年以上がすぎていた。しかし病状は確実に進行していた。痛みは薬でなんとか抑えていたが、食欲はほとんどない。金田からは入院を勧められたが、秀雄はできるだけ普通の生活を続ける道を選んだ。
 合唱コンクールまで1カ月。秀雄は新しい指揮棒を買った。「大丈夫。絶対、出られるから」。秀雄の不安を察したみどり(矢田亜希子)は励ました。2人の暮らしに変化はなかった。1日1日を大切に生きていた。しかし小さな変化があった。それはみどりが秀雄のことを中村先生ではなく、秀雄さんと呼ぶようになったことだ。
 合格発表が始まった。職員室には次々と吉報が届いた。「中村先生のクラス、すごいのよ」。麗子(森下愛子)が舌を巻いた。りな(浅見れいな)も雅人(市原隼人)も萌(鈴木葉月)も愛華(岩崎杏里)も守(藤間宇宙)も栞(上野なつひ)も全員、見事合格した。残るは均(内 博貴)だけ。しかし均は不合格だった。すべり止めを受験していないから来年再挑戦するしかない。「また無理かもしれません」。実力がありながら均は本番だと緊張して発揮できないのだ。「いつもの力を出せば合格できます」。明後日は合唱コンクールの本番だ。「緊張せずに練習どおり歌えるよう、挑戦してみましょう」「はい」ようやく均が笑顔をのぞかせた。
 合唱コンクール当日がきた。控室で3年G組の生徒たちは緊張していた。とりわけ均はウロウロして落ちつかない。来週の決勝に進めるのは5校だけ。「僕たちの出番です。しっかり歌いましょう」。客席には秋本理事長(大杉漣)をはじめ、同僚教師たちが応援に駆けつけてくれた。秀雄は静かに指揮棒を振りはじめた。みどりがピアノで『この道』の前奏を弾きだした。
 生徒たちは熱唱した。均だけは緊張のあまり、途中で一瞬口の動きが止まったが、無事に歌い終わった。大きな拍手が起きた。秀雄は客席に向き直ると頭を下げた。
 その瞬間、秀雄は床に崩れ落ちた。
 「秀雄さん!」。みどりが駆け寄った。生徒も教師も集まった。しかし秀雄は全く動かなかった──。
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出演者

中村秀雄(28) … 草なぎ 剛
秋本みどり(25) … 矢田亜希子
久保 勝(30) … 谷原章介
古田進助(50) … 浅野和之
岡田 力(25) … 鳥羽 潤
赤井貞夫(35) … 菊池均也
       ・
太田麗子(38) … 森下愛子
       ・
金田勉三(45) … 小日向文世
秋本隆行(55) … 大杉 漣

スタッフ

<脚 本>
  橋部敦子
<音 楽>
  本間勇輔
<演 出>
  星 護(共同テレビ)
  佐藤祐市(共同テレビ)
  三宅喜重(関西テレビ)
<アソシエイト・プロデューサー>
  石原 隆(フジテレビ)
<プロデューサー>
  重松圭一(関西テレビ)
  岩田祐二(共同テレビ)
<制 作>
  関西テレビ放送
  共同テレビ