阪神・淡路大震災、東日本大震災、そして相次ぐ豪雨災害…。日本を襲ってきた大災害と向きあい、テレビ・ラジオは防災に関する報道を進化させてきました。『NHK民放6局防災プロジェクト』では「#いのちともに守る」を合言葉に、6局が協力して、防災の知見や最先端の知見をシェアするなど、未来の命を救うための取り組みを続けています。プロジェクトを立ち上げたのは、東日本大震災から10年となった2021年。各局が保管する震災関連の映像を交換し合い、防災・減災に関するドキュメンタリーやニュース企画などを各局で制作・放送してきました。今後30年間に70%の確率で起きるといわれる「首都直下地震」などに、いま、私たちはどう備えればいいのか、局の垣根を越えて考えます。
【FNS系列18局で放送】(一部地域では別日時)
関西テレビ 東海テレビ テレビ西日本 テレビ静岡 北海道文化放送 テレビ新広島 岩手めんこいテレビ さくらんぼテレビ 福島テレビ 長野放送 富山テレビ 石川テレビ 福井テレビ さんいん中央テレビ サガテレビ テレビ熊本 テレビ大分
※放送日時は各放送局にお問い合わせください。
※放送局は今後追加される場合があります。
未曾有の災害を決して忘れず教訓とするため、14年にわたり放送してきたシリーズ「わ・す・れ・な・い」。本番組は、シリーズ最新作となります。まずは能登半島地震の避難行動を映像と証言から検証。去年に続いて注目したのは、車に搭載された「ドライブレコーダー」の映像です。感情に左右されることなく、目の前で起きていることを冷静に捉え続ける機械の目・・・今回は映像に映っている人々の動きをつぶさに取材しました。そこから命を守るために必要な行動を考えます。
また今年は、東日本大震災の「語り手」の取材も行いました。震災から14年が経過し、世代交代も進む中、語り継ぐために必要なこととは・・・
そして民放NHK6局防災プロジェクトの一環として、アナウンサーたちが『東北モノローグ』(いとうせいこう著/河出書房新社)を朗読し、新たな形で東日本大震災の記憶を伝えていきます。
石川県・珠洲市宝立町で撮影されたドライブレコーダーの映像。今回そこに映っている人々の証言を多数集めることで、避難行動の詳細が明らかになりました。周囲の建物が倒壊し、逃げ道をふさがれた男性は、どうやって避難したのか・・・、津波が迫る中、近所の住民の命を救った行動・・・、そこには命を守るための教訓が詰まっています。一方で、なすすべもなく救出できなかった命・・・厳しい現実と向き合った消防団員の無念の証言からは、地方の防災の課題が浮き彫りになりました。
東日本大震災から14年経った今も、原発事故による帰還困難区域が残る福島県。これまで津波の被害はあまり多く取り上げてこられませんでした。今回、震災当時、楢葉町に住んでいた男性が撮影した貴重な映像を入手。そこには高さ10メートルを超える津波の猛威が記録されていました。この津波で姉を亡くした撮影者の男性は、原発事故からの避難を続けながら、その後も自身の体験や町の様子を記録。撮影した写真は1万枚以上にのぼります。そして今もなお、姉の命日に合わせ、津波を撮影した高台から、変わりゆく町の記録を続けています・・・その理由とは。
今回、福島の取材に向かったのは、フジテレビの高崎春アナウンサー。震災当時、小学3年生だった高崎アナは取材を前にある不安を抱えていました。「被災地に足を踏み入れても、実感がわかないのでは」と。そんな中、出会ったのが「語り部」活動を続ける同世代の女性です。若い世代や、震災を体験していない人々にも「被災地に来て、見たことや聞いたことをぜひ話してほしい」と語る女性の思いとは・・・。そして福島の取材を経て、高崎アナにある変化が生まれました。
今回フジテレビでは、民放NHK6局防災プロジェクトの一環として、「東北モノローグ」(いとうせいこう著/河出書房新社)をアナウンサーが朗読、音声コンテンツとしてネット上で展開します。「東北モノローグ」は、著者のいとう氏が、東北を訪ね歩いて記録したさまざまな声を「聞き書き」としてまとめたもので、この中から4章を奥寺健、斉藤舞子、宮司愛海、高崎春、4人のアナウンサーが朗読します。葛藤を感じながら語り部として活動することを決めた高校生や、新聞記者を辞めて復興の仕事に携わる決断をしたボランティアなど、決して「被災地の声」とひとくくりにできないそれぞれの思いにアナウンサーの語りの力を吹き込み、より多くの人にお伝えしたいと考えています。実際に震災を経験した「語り部」が減っていく中、「語り手」として東日本大震災を将来に伝え継ぐ新たな試みです。
番組への感想・来年の放送に向けた要望・
共同企画に望むこと等
みなさまのご意見お待ちしております。