オンエア

何度も一大ブームを起こした 私はだ〜れだ?

続いては、この少年が、一大ブームを巻き起こすまでの爆誕ストーリー!
その人物は幼少期から、何か一つの事に熱中すると、情熱を注ぎ込み、のめり込むタイプ。 そんな彼が、学生時代に熱を上げていたのは…テニス。 他の部員とテニス以外の話はせず、どうすれば勝てるのか、トコトン突き詰めていた。
だが、高校一年のとき…膝に痛みが生じ、ドクターストップ。 テニスを諦めざるを得なくなった。

唯一のやりがいを失ったが…「このままじゃ、俺は終わる。だったら、俺自身をリニューアルするしかねえ」
そう思っていたタイミングで、ある誘いを受けることに…友人からバンドに誘われたのだ。 自分をリニューアルしたいがために、とりあえず、弾いたこともないギターを始める事に。 とはいえ、半年後にはすでにライブが決まっていたため、練習に打ち込んだ。

そして…当日を迎え、人生初ライブ、開演! 猛練習の甲斐もあって、人前で弾けるレベルに!
だが、全曲覚える事は出来ず。 そこで、弾けない曲の時は…ボーカルを担当! 彼がライブを盛り上げ、初ライブは大盛況で幕を閉じた。

すると数日後…次なる誘いを受けることに…!
ライブをみた女性が一緒にQUEENのライブに行かないかと、彼のことを誘っていると言う。 こうして、当時、一世を風靡していたイギリスのロックバンド、『QUEEN』の来日公演を、その女性と行く事に。
彼を誘ってくれたのは…同級生の母の知り合いだった。 実は、この女性が…彼の運命を大きく変える事になる!

後日、彼はこの女性に呼び出された。 実は、この女性の正体は…芸能事務所の社長。
彼女が求めていたのは、『何色にも染まっていない若者』。 なかなか、理想的な人物が見つからない中…彼がライブを盛り上げていたという話を聞き…興味を持ったため、『QUEEN』のライブに招待したのだった。

そして…「ギターやらないかって誘われたからやってみただけっていうか」
この言葉を聞いた彼女は、まだ明確な目標もなく、何色にも染まっていない青年だと感じた。
さらに…人に合わせず、自分の意見をはっきり言うところを気に入り、芸能界に誘った。 だが、彼は「僕、チャラチャラした業界人、嫌いなんです」と言って断った。

すると、彼はある場所に連れて来られた。
そこは…映画の撮影現場。
そこにあったのは、怒号が飛び交い、地味で緻密な作業を行う現場。 まだまだ自分をリニューアルしたいと思っていた彼は…とりあえず一回、俳優をやってみようと、この誘いに乗る事に。

そんな彼が、最初に受けたオーディションは、全巻読破するほど、大好きなヤンキー漫画が原作の映画だった。 中でも、準主役のキャラクターに心底惚れ込んでいた彼は、そのキャラクターと全く同じ髪型にして、オーディションに挑んだのだ!

一次、二次審査を順調に通過し…いよいよ最終審査へ。
最後は、二人一組での演技テスト。 彼は、大好きな準主役を、相手役の俳優が主役のキャラクターを演じることに。
互いに、台本1ページ分のセリフを言い合うだけだったのだが、相手が台本にないアドリブで彼を突き飛ばしてきたのだ!

彼は頭に来て本気でケンカしてしまった。
こうして初オーディションは、苦い思い出になると思われたが、型破りな野性味が目に留まったのか…希望していた準主役に抜擢されたのだ!

大好きなキャラクターを演じられると、ワクワクしていた彼。 ところが…俳優としていざ撮影現場に立った彼は、戸惑いを感じていく。 人前で何かを演じるということに恥ずかしさを感じたのだ。
その後も、いくつかの映画やドラマに出演したが『俳優』という仕事そのものの楽しさが分からず…なかなか本気になる事が出来ずにいた。

だが、デビュー2年目、21歳の時、『ある役者』と出会ったことで、彼の感情に大きな変化が起きる…!
それは、あるドラマに出演した時だった。彼は主人公の息子で若い漁師という役。 主演は誰もが知る国民的俳優だったが、当時の彼はそのことをあまり詳しく知らなかった。

そして、立ち稽古が始まると、細かい指示もない中で、俳優たちが全力で演技。 その中でも特に、リハーサルにも関わらず、本気で芝居をしている主演の国民的俳優に彼は心を奪われた。
そして、彼の中で忘れていた感情が蘇った。 『やるからには…トコトン突き詰めたい!』
この国民的俳優との出会いによって…彼は『俳優』という仕事に本気で向き合うと決意したのだ!

だが、その後の半年間、いくつかの映画・ドラマに出演したが…彼は演技の勉強をせずに俳優の道へ入った人間。
自分なりに試行錯誤しながら俳優を続けていたが、周りに評価されることはなく…ついに社長から「この作品がダメだったら元の世界に戻りなさい」と言われてしまったのだ。

こうして、ラストチャンスとなる、ドラマの撮影に入った。 その作品は、あの国民的俳優と共演したドラマと、同じ監督だった。
最後の出演作になるかもしれないと気合を入れて望んだ彼は…彼と監督、双方が納得いくまで、何度も何度も撮り直した。 こうして、彼が本来持っていた、とことん突き詰める性格を遺憾なく発揮! この作品に自分の全てを注ぎ込んだ。
結果、この作品が放送されると…その演技が業界内で話題となり、次々とオファーが舞い込むようになったのだ!

そして、デビューから4年目の時…24歳となった彼は、あるドラマに出演することに。 そして、この作品が…社会現象を起こすほどの大ヒットを記録! 彼は、誰もが知る大人気俳優となったのだ!
成り行きで俳優になり…国民的俳優との共演で、その情熱に火が付き…崖っぷちから大逆転し爆誕した、人気モノの正体は…!
『月曜夜は街から女性が消えた』と言われるほどの社会現象を巻き起こした、『東京ラブストーリー』で人気を不動のものにした、大人気俳優…織田裕二!

今から39年前、20歳の時、オーディションで、取っ組み合いをした結果、希望の役を勝ち取った…人気漫画が原作の映画『湘南爆走族』で俳優デビュー。 しかし、デビュー当時は、芝居の楽しさが分からず、俳優という仕事に本気になれなかったという。
織田「デビュー当時は、芝居というものが恥ずかしくて。『なんで、こっちみんな向くんですか』みたいな。『見ないでくださいよ、照れるじゃないですか』みたいな。その当時はガッチガチですよね」

そんな中、デビュー2年目の時に出演し、織田の人生を大きく変える事になった作品は、『北の海峡』というドラマだった。 その中で、織田の父親役を演じた俳優こそ、日本を代表する名優、山崎努。
この共演がきっかけで織田は『俳優』という仕事をトコトン突き詰めることを決意した。

織田「皆さんがリハーサルでお芝居をしているのを見ていたら、大人が真剣にああでもない、こうでもないってやっているわけですよ。これだけ年を経た人たち人たちが夢中になれる世界なんだって、そこで初めて認識した。本物の職人がいたっていうか、この人が役者なんだって」
スタッフ「自分から山崎さんに話しかけにいったんですか?」
織田「別にどちらからも話しかけていないですね。山崎さんが僕に話しかけたのって、その作品の時にはないですね」

しかしその3年後、『東京ラブストーリー』で人気者となった織田は、特別ドラマで…再び山崎努と共演する事になった。 織田が演じたのは、白バイ隊員の父を持ちながら非行に走り、三億円を強奪する青年・大場誠。 その誠に、三億円強奪を持ちかけたのが、山崎努演じるバーのマスター・タカヤ。 織田と山崎は、この作品の撮影中、たった一度だけ、二人で会話をしたという。
織田「山崎さんのマネージャーさんが来て『山崎が呼んでいます』って言われて、山崎さんの車の助手席に行ったら、運転席に座っていらっしゃって。『昨日、あのシーン撮ったの?』と言われた。本田美奈子ちゃんと僕が、心は本田美奈子ちゃんに無くなっているんだけど、抱きしめるっていうシーンがあって」

それは、織田演じる誠が、三億円を強奪した後、本田美奈子演じる恋人と偶然会い、『一緒にいて』と抱きしめられるが…『やっぱりだ。誠は私を抱いていない。ずっとそう思っていた』と告げられるシーン。
織田「『どんなふうに芝居したの?』って言うから『心が無いので、明後日向きながら抱きしめました』と言ったら、『ああ』と言われて、『もしそれを、好きで好きで堪らない気持ちで抱きしめたら、どうなっていたかね』と言われて。『やばっ、そっちの方が全然いい。そっちの方が全然切ない。ただの心が無いですの説明過ぎなかった。俺のやった芝居って』でも、もう撮っちゃったから撮り直せないわけですよ。そうか、お芝居ってそういうことかと。その時だけですね、話しかけてくださったのは」
その後、ドラマや映画で山崎努と共演はできていないという。
織田「山崎さんに、上手じゃないけど『上手くなったね』と言われたいなと思いました。もう一度どこかで、ご一緒できたらいいなって」

この山崎努との共演により、俳優という仕事をトコトン突き詰めるようになった、織田裕二。 そんな彼が、今から33年前、25歳の時に出演したのが…『振り返れば奴がいる』。 実はこの作品に、織田裕二の『俳優魂』が詰め込まれている!
彼が演じたのは、患者を救うためなら手段を選ばない、冷酷な天才外科医・司馬江太郎。 石黒賢演じる、医師としての理想と正義を貫こうとする外科医・石川玄と対立する、そんな役柄であった。

この作品で、外科医を初めて演じる事になった。 そして、織田の熱烈な要望により、当時としては珍しく、大学病院の外科医が監修に入ることに! 立ち位置、器具の受け渡し、手術中の言葉。 彼は本物の医師から、動きの一つ一つを学んでいったという。

さらに!織田演じる司馬の持ち物の中に…アンビリバボーな事実が隠されていた!
作中、司馬の喫煙シーンがよく登場するのだが、その際、使用されている…ライター。 実はこれ…
織田「自前で。いただいたやつだけど。こんなおじさんみたいなやつ、なんでくれるんだろう?と思ったけど、『あ、このライターが使える、ちょうど合う』と思って。監督のところに持っていって『これ使いたいんですけど』『いいよ』って。それがすごく音が特徴的で。芝居の良い味付けになった。あの当時は自前でっていうのが多かったですね」

そして、今から29年前にスタートし、社会現象を巻き起こした作品こそ…! お台場、湾岸署を舞台に、刑事たちの人間模様を描いた『踊る大捜査線』! 織田裕二が演じたのは、不器用だが仲間を大切に、正義を貫く主人公、青島俊作。
この作品でも織田裕二は、青島になりきるため、並々ならぬ『俳優魂』を発揮していたのだ! 青島刑事は、超がつくほどのヘビースモーカーという設定。 そのため、彼のデスクの上は…吸い殻が山積みになった灰皿が、ポツンと置かれているだけなのだが、 実はこれ…青島の世界観を作るため、織田が発案したのだという。

さらに…青島のロッカーの中は、小道具が入っておらず、殺風景だったのだが… 織田は自ら、青島が吸っているタバコの箱でロッカー内を装飾! だが実は、そのロッカーが映ったシーンは…自分の正義が貫けないならと、警察を辞める決意をして荷物を片付けようとする…1シーンのみ! 織田は、ほとんど映ることはないと分かっていながらも、自らの役作りのために、こだわったのだという。
織田「衣装・小道具というのは僕にとっては役を作る上では大事で。その力を借りて芝居を何割か担ってもらっている。それは結構当時はこだわっていましたね」

そして、青島の相棒・和久平八郎を演じた…いかりや長介。 そんな彼も、織田の俳優魂を感じた出来事があったという。
ある時、いかりやが台本を読んでいると、織田にかけていた老眼鏡を持っていかれたという。 そして、しばらくすると、なぜか 老眼鏡の鼻あて部分にティッシュが。 和久刑事はメガネをかけていない設定。 なのに、メガネの鼻あての跡があるとおかしなことになってしまうため、織田は跡がつかないようティッシュを挟んだのだ。 いかりやは、その直後、プロデューサーに『こいつはすげーなー』と話したという。
そんな、いかりや長介は、踊る大捜査線 映画2作目の公開からおよそ1年後、天国へと旅立った。

織田「いかりやさんって、やっぱりスペシャルで、なんか頼っちゃうんですよね。現場に来て『おはようございます』って、みんながお芝居これからやりますよって時に、監督を捕まえて15分くらい喋るんですよ。あれで、アイドリング状態に持っていっているんですよね。緊張されていたんですよ、あの歳でも。ほぐして、でもみんなの場の空気を一つにするための時間っていうか、そういうのを大事にしていた。『青島!』と呼ばれた時の怒鳴り声の気持ち良さ、『はい!』っていう。あの声に呼ばれるのは、たまんないんですよね。会いたいですけどね。まあ無理ですよね、人間は」

そして今年、14年の時を経て、『踊る大捜査線』がついにカムバック!
誘拐事件、さらに、3Dプリンターで作成した拳銃を使った連続殺人事件が発生。 次々と起こる事件を解決すべく、青島が東京の街を駆け抜ける!
織田「14年ぶりに『踊る大捜査線』が帰ってきます。和久さんぐらいの、定年を間際に控えた青島っていうので帰ってきています。じじいです。本当に感謝したいのは、今までずっと一緒にやってきた役者、スタッフ。あと同時に、今回すごく新しい人たちがいっぱい入ってきています。その融合がすごく面白いと思うので、期待を裏切らないと思います。観てやってください。お待ちしています」

ここからは、まだまだあった! 織田裕二の『俳優魂』伝説。
代表作の一つ『振り返れば奴がいる』の撮影中、あるハプニングが。 それは、止まった心臓が再び動き始めた患者に対し、司馬が言い放つセリフを『カットする』というものだった。

そのセリフが…『脳みそが死んでんだよ』。
これに関して、フジテレビ側からストップがかかったのだ。 理由は、重篤な病人に対するセリフとして、あまりにも過激なため。 当時の医療ドラマとしては一線を超えてしまっているかもしれないと逡巡していたプロデューサー。

それに対し、織田は…
織田「『脳みそが死んでいる』って強烈だけど、それが(ドラマの)核なんですよね。僕と石川、二人の医者の主義主張が違うのは。石川は延命、司馬は無駄な延命はしない。そのセリフを切っちゃったら、このドラマ、後半どこに向かえばいいか、分からなくなるから『絶対切らないでください』ってお願いした」
織田の思いが、現場スタッフとプロデューサーを動かし、無事放送された!

さらに、『踊る大捜査線』の本広克行監督は、織田の情熱を感じた、思い出深い出来事があるという。
実は、撮影に入る前に必ず、台本読みの時間があったが… 役者は織田裕二、ただ一人。 他の役のセリフは全て、監督が担当。 本番でどのような演技をすれば良いのか迷わないよう、織田たっての希望で行なっていたという。
織田「解釈が意外と違うことがあるんですよ。現場だとみんな困っちゃうわけじゃないですか。待たなきゃいけないし、撮らなきゃいけないのに、待っていられないから。台本から得たインスピレーションでアイデアを話したりとか、そういうために時間を作ってくれと言いますね」