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しつこい男の執念で生まれた 私たちはだ〜れだ?

最初の爆誕ストーリーは、しつこい男から始まる。
彼は、愛知県出身で当時19歳。 自分のバンドで、プロデビューを目指していた。
だが、そんな彼のことを『自分と組もう!』と、しつこく誘う男がいた。

しつこく誘ってくる男は、地元の先輩で、高校時代に一度だけ演奏を見たことがあったのだが…指一本での演奏…そのあまりの下手さに言葉を失った。
その後2人は、それぞれ別のバンドを組み東京で活動。 関わることはないと思っていたが…なぜか、その『指一本男』は『一緒に組もう』としつこく誘ってくるようになったのだ。

この指一本男…パソコンのソフトを使い、様々な楽器の音を組み合わせて曲を制作することを得意としており…彼が作った曲にキーボードなどを追加し、勝手にアレンジしてきたものを持ってきた。 それでも彼は『指一本男』と組むことを断った。

だが、そんなある日のことだった。 彼のバンドは、ほとんど芽が出ず、解散することに。
すると…音楽を諦めきれない彼は、一人、路上ライブを行うようになった。 その結果、少しずつ、聴衆が増えていった。

そんなある日、「CDとかないんですか?」と聞かれたのだが…アルバイトで何とか食い繋ぐ生活。 機材もなければ、レコーディングスタジオを借りるお金すらない。 知り合いの中で、レコーディング機材を持っているのは、一人だけ。 しかし…その人物に頼むのには、抵抗がある。

迷いに迷った結果…そう、彼は…アレンジもでき、レコーディング機材も持っている『指一本男』を頼ったのだ。
だが、この決断が彼の人生を一変させることになる!

それは、無事にレコーディングが終わった直後のこと。 真夜中に『指一本男』から電話がかかってきたのだ! そして、「知り合いのプロデューサーが、俺たちの曲ならデビューできるかもってさ!」と言うのだ!
彼にはプロデューサーに曲を持ち込んだり、指一本男にそれを頼んだりした記憶はなし。 そもそも、レコーディングはお願いしたものの『指一本男』と一緒に曲を作った記憶すらない。

実は『指一本男』は時折、自分がアレンジを手がけたミュージシャン仲間の曲をまとめて、知り合いのプロデューサーに売り込んでいた。 その中で、プロデューサーに唯一褒められた曲、それは『指一本男』にレコーディングを頼んだ、彼の曲だった!
そう、『指一本男』は、彼に内緒でプロデューサーに聴かせていたのだ!

ただ、レコーディングをお願いされただけなのに…彼の曲を勝手にプロデューサーに聴かせた『指一本男』。 さらに有名プロデューサーにも聞かせたところ、『いけるんじゃないか』と言われたというのだ! それは、彼が高校時代から好きなバンドを数多く手掛ける、超有名プロデューサーだった。

「上手くいけば、一緒にやれるかもって」と言いつつ…曲を聴かせたのは、知り合いのプロデューサー、一人だけ。 つまり、有名プロデューサーに聴かせたというのは…真っ赤なウソ!
「オレとお前が組めば絶対にいけるって!5曲だけ!5曲だけ一緒に作ってみよう!」と言われ、嘘だと気付いていない彼は、有名プロデューサーと仕事できるならと、渋々、指一本男と曲を作ることに。

それにしても『指一本男』は、なぜここまで彼にこだわったのか?
『指一本男』は、高校時代…パソコンだけで、様々な楽器の音を組み合わせて曲を制作できるソフトと出会い…これにどハマりし、音楽制作の仕事に就きたいと、音楽の専門学校に進学。 それでも、さすがに楽器ができた方がいいと思い、ピアノを習い始めた。

その直後のライブで…彼と出会ったのだった。 そして、その彼の歌声を聴いた時…彼の才能に一目惚れ。
それから『指一本男』は、様々なアマチュアバンド曲のレコーディングやアレンジで腕を磨きながら…その間ずっと彼を誘い続けた。 そして、ついに多少のウソはあったものの、やっと振り向かせることに成功したのだった。

一方、誘われた彼は、一緒にやるのは5曲だけのつもりでいたが…指一本男は、ライブやオーティションの日程を次々に決めてきた。 その行動力は、自分にはないものばかりだった。
互いに、能力を発揮していった結果、二人の活動は5曲だけにとどまらなくなっていった。

互いの才能を認め合った二人は、今から23年前、念願のメジャーデビュー!
その2年後には、曲が大ヒット! その年の紅白歌合戦にも出場するなど、誰もが知るアーティストとなったのだ!

さあ、一途な男のしつこい誘いで爆誕した、人気モノとは!?
バンドが解散し、路上ライブを行なっていた、大橋卓弥さんと…彼をしつこく誘い続けた『指一本男』こと、常田真太郎さんによる音楽ユニット…スキマスイッチ!

そんな彼らも、今年でデビュー24年目。
当時のことをご本人たちに聞いてみると…
大橋「シンタ君(常田さん)がウソをついてないなかったら、今の僕もスキマスイッチもなかった」