オンエア
今から40年前、アメリカ・マサチューセッツ州ペパレルに暮らす、ボウエン家の地下室で15歳のティナと9歳のカレンの姉妹が、ある禁断の儀式を行おうとしていた。
実はこの数日前…母が突然、この世を去っており、『もう一度、話したい』と思った姉妹が行き着いたのが…死者の霊を呼び出せるとされる、降霊術だった。
二人は、本に書かれた手順に従い、降霊術を開始。
何度か試したものの…何も起きなかった。
2人が諦めようとしたその時!
壁からコンコンとノックの音が!
父親は仕事に出ており、家にいるのは二人だけ…
カレンが「ねえ、ママ、そこにいるの?」と問いかけると、またしてもノックの音。
「ママ、愛してるわ。これからもずっと、天国で私たちのこと、見守ってくれる?」というと、やはりノックの音が聞こえた。
母と最期の会話が出来た…姉妹はそう思い、喜びを分かち合った。
数日後、またしてもノックの音が聞こえた。
しかし、ノックの音が激しくなり、止まらない。
姉のティナは自分たちは母ではなく、何か悪い霊を呼んでしまったと思った。
だが、それは…恐怖の始まりにすぎなかった。
父は仕事のため、夜遅くまで家を空けることが多く、そんな時は姉妹二人だけで留守番していたが、2階から物音が聞こえた。
ティナとカレンは、2階に確かめに行ったものの、何もなかった。
部屋から出ると、また物音が。
ティナがもう一度部屋を覗くと…床にあった人形がベッドに座っていたのだ!
ティナとカレンが眠っていると、リビングから何か音が聞こえる。
2人がリビングに行くと、テレビがつき、勝手にチャンネルが変わった。
『間違いなく、家の中に悪霊がいる』…姉妹はそう感じ、底知れぬ恐怖に怯える日々を過ごした。
そして、ある日、父と外出先から帰宅すると…蛇口から水が出ており、冷蔵庫のドアも開いていた。
『何かがいる』と父も感じ、姉妹を連れ、一つ一つ部屋を確認することに。
すると、突然、父・フランクは何者かに腕を掴まれ、斧で殴られ、倒れてしまった!
姉妹は、家に侵入していた謎の男に両手を縛られ、監禁された。
ティナは隙をみて、窓から脱出し、隣の家に助けを求めた。
そして、すぐに警察が駆けつけ、父とカレンを救助。
家の中に隠れていた男も発見し、逮捕した。
後日、警察は家族に対し、犯人の男を知っているか聴取。
このあと、事件の裏に隠された、予想を越えた真実が明らかに…!
それは、事件が起きる半年ほど前、まだ姉妹の母親が生きていた頃に遡る。
ティナに電話がかかってきた。
電話をかけてきたのは、ダニエル・ラプランテ。
ダニエル「友達から君の電話番号を教えてもらいました。実は前に見かけた時…君に一目惚れしたんだ」
ティナより一つ年上の16歳の少年だった。
実は彼、空き巣の常習犯で、日常的に盗みを繰り返していた。
そんなある日、たまたま盗みに入ったのが…ボウエン家。
そこで、ダニエルは…飾られていたティナの写真を見て、一目惚れする。
そして、侵入時に電話番号を知り、『街で見かけて、友人に電話番号を聞いた』と嘘をつき、ティナに電話をかけた。
その後、何も知らないティナは、ダニエルと会うことに。 彼女はダニエルを『明るく活発な性格』だと思っていたが、実際に会うと…思い描いていた人物像と違うと感じ、ダニエルとの連絡を絶った。
それでもダニエルはティナを諦めないばかりか、さらに執着心が増していき…その結果、なんと ティナの家に忍び込み、内壁の裏に身を潜めるようになったのだ。
ダニエルは外壁に設置されている点検口から、配電・配管のために内壁と外壁の間に設けられたスペースに忍び込んだと考えられている。 その隙間、わずか21センチ程度。 そして、壁の中の空間を伝って、リビングや地下室へ移動していたと言われている。
こうして時々、ボウエン家の壁裏に侵入しては、ティナたちを観察。
その期間は、半年にも及んだのだ。
そんな ある日、ティナの母親が他界し…悲しむ姉妹が降霊術を行う姿を目撃したダニエル。
壁をノックし、母の霊のふりをしたのだ。
監禁事件で逮捕されたダニエルは、その後、少年院に収容された。
警察官として、この事件に携わったロウレスさんは、こう語る。
ロウレス「最初は、姉妹を怖らがせることで満足していたようですが、次第にエスカレート。潜在的な暴力性が表に出たのだと思います。しかし、ボウエン家を陥れた恐怖は、これで終わりではなかったのです」
事件から、およそ1年後。
ティナたちは、その日、テレビから流れてきた『あるニュース』に釘付けになった。
隣町で母親と子供2人が殺されるという殺人事件が起きたのだ。
そして、その犯人は…ダニエル・ラプランテだった!
実はダニエルは、以前逮捕された時は16歳だった。 少年院に収容されたものの、すぐに17歳となったため、特例で成人として起訴された。 しかし、それによって保釈を申請する権利が発生し、保釈に反対する声が多数上がる中、彼の母親が1万ドルの保釈金を支払い、自由の身になっていたのだ。 その後、逮捕前と同じように空き巣を繰り返し、家に侵入した際、被害者と鉢合わせしたため、犯行に及んだと思われた。
殺人犯として逮捕されたダニエルには、その後の裁判で、終身刑が言い渡された。
だが、殺人事件を起こした後の法改正により、今から7年後、63歳になる年、彼は再び出所する可能性があるという。
ロウレス「ダニエル・ラプランテは、事件後もボウエン家に恐怖を与えました。私にとっても最悪の恐怖です。なぜなら、この事件は、人間が幽霊よりも遥かに恐ろしい存在になり得ると証明したのですから」