オンエア
都会を中心に昔と比べて、ご近所付き合いが薄くなったと言われる現代の日本。
そんな中、SNSにアップされたある家族と、ご近所に住むおばあちゃんの交流が…
『こんな社会がいい』
『みんな愛に溢れている』
『涙流してみました』
『まだこんな日本があってよかった』
など、大きな話題を呼んだ。
果たして、人々の心に何が刺さったのか!?
始まりは、今から4年前。
大阪にある13階建てのマンションの3階に暮らす三宅真人さんが、当時2歳だった長男・伯大郎(はくたろう)君のために始めたある朝の日課だった。
伯大郎君は消防車やパトカーなど、働く車が大好き。
そんな息子のため、家の前を通るゴミ収集車を見せてあげることにしたのだ。
その通り道、マンションの向かいの家にご夫婦で住む当時79歳のおばあちゃん・大垣さんと挨拶を交わした。
真人「伯大郎がゴミ収集車が好きで、それを見に行って。その向こうにおばあちゃんがゴミ捨てに出てきていて、ご挨拶したことがきっかけで認識するようになりました」
その日から、ゴミ収集車を見送り、おばあちゃん夫婦と挨拶を交わすことが日課になっていった。
そして、いつしか伯大郎君にとってその時間は、おばあちゃんに会うためのものになっていった。
真人「(伯大郎が)元々、割と人懐っこい性格というのもあると思うんですけど、それ以上におばあちゃんが積極的に伯大郎に声をかけてくださって、いつも笑顔でウェルカムな姿勢でいてくれたので、より伯大郎も懐いていったんじゃないかなと思います」
そんな生活が1年もすぎると…おばあちゃんに会いたいがため、家に勝手にあがってしまうように。
真人「最初は『何してんねん!』って思いましたね。人様のお家に勝手に上がっていくわけですから。僕も止めたんですけど、おばあちゃんが『私も元気もらってるから』ということで、お許しをくださったので、お言葉に甘えるようになりました」
こうして伯大郎君は、毎日 保育園の行き帰りにおばあちゃんの家に寄るのが日課になっていった。
ちょうどそのころ、妹の智織ちゃんが誕生。
すると…買い物帰りに大変そうなお母さんの様子を見て、心配したおばあちゃんが、夕食の準備をしている間など、家事が落ち着くまで、家にやってきて子供たちの面倒を見てくれたり、保育園帰りの伯大郎君を家で預かってくれたりするようになった。
さらに、伯大郎君がわがままを言えば、ちゃんと嗜めてくれた。
真人「親以外から叱られる経験ってなかなか今は無いと思うんですけど、交流だけじゃなくて、ちゃんと叱ってくださる。すごくありがたいことだと思いました」
そんな生活がさらに1年ほど続いた頃…おじいちゃんが高齢による体力の低下で入院することに。
すると、真人さんたち夫婦は、遠方に住むおばあちゃんの家族に代わり、治療などの相談を受けるようになった。
実は、真人さんの前職は介護士。
母・里美さんは現役の看護師だったのだ。
一方、おばあちゃんは、おじいちゃんの看病で忙しくなってからも、挨拶を続けてくれた。
妹の智織ちゃんが成長し、歩けるようになると、一緒に挨拶をすることが日課となっていた。
そんなある日、おじいちゃんが危篤という知らせが来たという。
おばあちゃんは、車もなく、タクシーの呼び方も分からず困っていた。
真人「おばあちゃんから電話があった時点で、何かあったから(電話を)かけてきたということはわかったので、すぐに『僕が車をだしますよ』と言って、おじいちゃんが入院している病院にお送りして、その1時間後くらいにおじいちゃんが亡くなられたというのを後からお聞きしたんです」
その後、真人さんはおばあちゃんから、このようなことを言われたという。
おばあちゃん「ほんまにありがとうございました。おかげで最期に立ち会えました。ご近所にこんなに優しい人がいてくれはるやなんて、ほんま ありがとうございました」
しかし、子供たちとの関係にはある変化が…おばあちゃんがあまり顔を出してくれなくなったのだ。
真人「看病疲れの反動もあったんじゃないかなと思うんですけど、『おはよう』『いってきます』のタイミングにはなかなか(外に)出ていらっしゃらない時期がありました」
だが、おばあちゃんに会えなくなっても、幼い兄妹は挨拶を続けた。
真人「『朝元気な声ちゃんと聞こえているよ あれで元気をもらってるからこちらこそありがとうね』って仰ってくださったんで、迷惑ではなかったんやなと思って嬉しかったですね」
すると…おばあちゃんが出てきてくれる日が増えていったのだ!
毎日 挨拶を続けることおよそ4年、伯大郎君が6歳になったある日…おばあちゃんは腰を圧迫骨折してしまったことをきっかけに、家族と相談し、サービス付き高齢者向け住宅に引っ越すことになったのだ。
すると…伯大郎君は「連れていって欲しいところがあんねん」と父にお願いした。
昨年12月、おばあちゃんとのお別れの日、おぼあちゃんの手に何やら包みが!
実は、伯大郎君がつれて行って欲しいと言った場所はデパート。
おばあちゃんにお別れのプレゼントを買いたかったのだ。
お世話になったおばあちゃんのため、12月という寒い時期に合わせて伯大郎君自らマフラーと手袋を選び、プレゼントしたのだ!
最後はみんなで記念撮影。
まるで本当の家族のような一枚になった。
その後、真人さんはおばあちゃんへの感謝を込めて、これまで撮ってきた動画を編集し、おばあちゃんや友人に見てもらおうとInstagramに投稿した。
すると…
『優しさがあふれてる』
『暖かくて涙が止まりません。心がホッとしました』
『今でもこんなご近所さんがおるもんなんやな』
など、コメントが殺到。
みるみるうちに閲覧数は伸び、その数は現在、1800万回以上に及んでいる。
あまりの反響の大きさに驚いた真人さんは、おばあちゃんに迷惑がかかっていないか聞いてみたという。
すると…「そんなことあらへんよ。素敵なことしてくれてるやないの?私は嬉しいよ」と喜んでくれたという。
今回、おばあちゃんに、なぜ子供達と交流を持ったのか尋ねたところ、音声でコメントをいただくことができた。
おばあちゃん「幼子は本当に天使だと思っているんです。本当に可愛いんですよ。うちの孫よなんて言ったりしてね。そういう感覚なので、特別なことをしたわけではないんです」
伯大郎君はおばあちゃんが引っ越した後も、年始や小学校入学のタイミングなど、節目節目でおばあちゃんに会いにいっているという。
そして現在も、荷物の整理中のおばあちゃんの家の前で、毎日 挨拶を続けているという。
もうそこにおばあちゃんはいないのに、なぜ挨拶するのか?
その理由は…
智織「おばあちゃんが大好きだから」
伯大郎「おばあちゃんに会いたいから。ずーと言ってきたから、自然と身体が動いちゃう」
多くの人に感動を与えた、ご近所のおばあちゃんと子供たちの交流。
その様子を撮影し続けてきた父親の真人さんには、ある夢があるという。
真人「食べ物の話になった時に、おばあちゃんがお肉を好きだとおっしゃっていて、僕がシュラスコっていうブラジルのバーベキユーの仕事をしていて、今年の2月にお店を始めたんですよね」
真人さんは、父親の仕事の関係で、幼い頃からブラジル人と交流があり、伯大郎君の『伯』の耳をブラジル漢字表記からとったほどの大のブラジル好き!
そして、今年2月、ブラジル郷土料理シュラスコを専門店としたレストランをオープンしたのだという。
真人「おばあちゃんが元気になうちに、僕のお店に来ていただいて、僕が焼いたお肉を子供達と一緒に食べてほしいというのがささやかな夢です」
現在もおばあちゃんの家に挨拶を続ける、伯大郎君と智織ちゃん。
今月、スタッフがご自宅を訪ねた際も、元気に挨拶していた!
2人は今でもおばあちゃんが大好きなのだ!
そして伯大郎君には宝物にしているという『あるもの』を見せてくれた。
それは…国旗のノート。
実はこのノート、小学校入学のお祝いにおばあちゃんがプレゼントしてくれたのだという。
そして伯大郎君は、お礼の気持ちを込めて、おばあちゃんに渡す絵と手紙を書いていた。
絵には最近始めたという野球をしている自分の姿と、それを見守るおばあちゃんと家族の姿が!
そして、手紙は…
『おおがきのおばあちゃんへ。にゅうがくのおいわいのこっきのノート、ありがとう。いつもげんきに がっこうにいってるよ。ときどき あいにいくね。おばあちゃん いつまでもげんきにいてね。だいすきだよ。はくたろうより』
おばあちゃんへのかんしゃと大好きの気持ちで溢れていた!
後日、この絵と手紙を受け取ったおばあちゃんにコメントをいただくと…
おばあちゃん「しっかりした字が書けている。一年生で。安心しました。ここにも絵が描いてあるしね。こんな上手に素晴らしい」
と、まるで自分の孫のように伯大郎君の成長を喜んでいた。
そんなおばあちゃん、実は伯大郎君から手紙をもらったのは、これが2回目。
お別れの日に受け取ったプレゼントにも、手紙がそえられていたのだという。
おばあちゃん「『長生きしてね』って書いてもらったんです。その手紙を(部屋に)貼っているんです。貴重なものだと思って大事にしています」
そして、おばあちゃんは、真人さんが映像をSNSに上げたことで初めて知ったことがあったという。
それは…
おばあちゃん「映像を見て、私が留守の時(伯大郎君が)泣いていたというのを初めて知ったんですよ。すごく嬉しかった」
最後に、今も挨拶を続けている2人について、おばあちゃんがどう思っているか、伯大郎君に聞いてきてもらった。
おばあちゃん「留守中にも呼びかけてくれるなんて、嬉しいよ。大きくなってもね『おばあちゃん、久しぶりに会えた こんにちは!』って挨拶してくれたら もっと嬉しい」
伯大郎「ときどきお手紙も書くね」
おばあちゃん「ありがとうね。嬉しい。約束だよ。おばあちゃんもお返事書くからね」
ご近所付き合いという関係を超えて生まれた絆は、これからも続いていく!