オンエア
男ばかりの4人兄弟の末っ子として生まれた少年は…朝が苦手で 父に起こしてもらうのが日課の甘えん坊だった。
会社員の父と専業主婦の母とのごく普通の家だったが、その教育方針は一風変わっていた。
勉強しろ!とは絶対に言わない。
代わりにさまざまなジャンルの遊び道具を用意。
4兄弟がそれぞれ興味を持った遊びを好きにやらせた。
しかし、四男は 何をやってもすぐ飽きてしまい長続きしない性格だった。
そんな中…彼が9歳の時、長男が希望していた東大の受験に失敗。
成績優秀だった長男の始めての挫折だった。
その姿を見た四男は、「ボクが東大に行くよ!」と言い出した。 まだ小学生の彼には『東大』がどんなものかさえもわかっていなかった。 ただ、母を喜ばせたくて、何気なく口にした一言だった。
東大に行くため、中学受験に挑むことに!
3年が経ち、ついに…猛勉強の甲斐あって第一志望、中高一貫の名門私立中学へ合格したのだ。
しかし、入学と同時にその覚悟はあっけなく崩れた。
のめり込んだのは、ゲーム実況とネット動画。
気づけば成績は、300人中298番。
高校に進学すると、ゲームセンターに入り浸り、帰宅も深夜。
いつしか、両親とあまり口を利かなくなっていった。
ちょうどその頃…母親に乳がんが見つかったのだ。
長い入院生活を終えて、母は自宅に戻ってきた。
「まあ家に帰れるってことは大丈夫ってことだよな」と思い、彼は、母親の部屋に 顔を出そうとはしなかった。
実は父は、母と病気が悪くなっていることを子供他には言わないと約束していた。 このとき母は、余命半年と宣告を受けていた。 子どもたちとの時間は、限られていた。
他の子と違って一向に顔を見せない四男。
会いたかった。
だが…四男は『何ひとつ期待に応えられていない自分』、こんな姿は見せられない…そう思っていた。
会いたいけど、今は会えない…彼もそんな時を過ごしていたのだ。
そんなある日…父に母のところに連れて行かれた。
母はもう話せない状態になっていた。
耳も聞こえているかわからなかった。
それでも最後にこう伝えた。
「ママ。顔出せなくてごめんね。産んでくれてありがとう」
数日後、母は家族が見守る中、静かに息を引き取った。
彼がまだ16歳の春だった。
遺品の中に母が使っていた一冊のノートがあった。
母の味を子どもたちに伝えようと書き留めていた、レシピ帳のようなもの。
最後のページには、それぞれの兄弟への想いが綴られていた。
四男には、こう書かれていた。
『もし神様が許してくれるなら、東大に受かるところを見てみたい』
それはあの日の約束。
そして、その隣のページには『挫けそうになった時、聴いてね』と、ある曲の歌詞が書かれていた。
それは生前 母がよく聞いていた曲だった。
亡き母からの最後のメッセージ…何事にも本気で向き合ったことのない自分。
初めて絶対に達成しなければならない目標ができた。
一念発起した彼は、猛勉強を開始。
300人中298番だった成績は7番にまで上昇。
そして1年後、見事 東大に現役で合格!
母との約束を果たしたのだ。
そして改めて母の残したメッセージの意味を自らに問い直した。
「俺のほんとに大事なものってなんだろう」
自問自答していた彼は、ついに『あるもの』を見つけたのである。
彼は東大に入学後、第一歩として、それを行うサークルを選んだ。
するとまたたく間に頭角を現し、イベントを開催!
評判は瞬く間に広がり、学外からも参加希望者が殺到するほどの大成功を収めた!
のちに その道で広く知られるようになった人物とは!?
東大のサークルから超有名人になった人物!
そう、松丸亮吾(まつまるりょうご)さん。
松丸さんが見つけた大切なもの、それは…『謎解き』だ!
ちなみに長男は、メンタリストDaiGoさん。
あの時 見つけたのは『あるノート』。
それは 幼い頃、母に認めてもらいたい一心で自作の謎解き問題を書いたノートだった。
しまい込んで忘れていたが、母が喜んでくれるのが嬉しくて作った謎解きは、この時すでに 数千問に及んでいた。
今や松丸さんは謎解きの第一人者としてメディアで大活躍。
「(母は)私がずっと信じてた通りだねというと思う。やっと叶ったねって声をかけてくれると思う。めっちゃ褒めてくてると思う。頑張ったね、よくやったねって。夢叶ったねって私も嬉しいって言ってくれると思います」