オンエア
今から4年前、イギリス。
いつもと変わらない平穏な日々を過ごしていたティナ・サビーヌさんは、ある朝、目を覚ますと…原因不明の激痛に襲われた!
突如、彼女の身を襲った謎の症状。
実は我々日本人にも関係ない話ではないという、その異変の真相とは!?
ティナさんに謎の症状が現れる一日前。
その日も彼女は、いつもと変わらない『普通の朝』を迎えていた。
これまで特に大きな病気をしたことはない彼女、毎朝のルーティーンをこなすと…愛犬を連れ、散歩に出かけた。
愛犬に引っ張られ、転びそうになり、とっさに道端に生えていた植物を掴んだ。
その後は自宅でゆっくりくつろぎ…いつも通りの時間に眠りについた。
翌朝…なぜか体が思うように動かなかった。
手がパンパンに腫れ、水ぶくれができていた。
さらに…顔に激しい痛みが!
その後、彼女は病院に救急搬送された。
ティナさんは、頬が大きく腫れ上がり、額にも火傷のような炎症の跡が!
果たして、ティナさんを襲ったものの正体はなんなのか!?
この日の彼女の行動の中に異変の原因が!
みなさんは、わかりましたか?
ティナさんを突如襲った謎の症状、その原因は…ティナが愛犬に引っ張られ、思わず掴んだ植物だった!
その後、ティナさんは手で顔の汗をぬぐい、強い日差しの中、散歩を続けた。
その植物は『ジャイアント・ホグウィード』、世界で最も危険な植物のひとつと呼ばれるものだ。
ジャイアント・ホグウィード、日本名をバイカルハナウド。
西アジア原産で、樹液には猛毒が含まれており、それが付いたまま太陽の光を浴び続けると、激しい炎症や水ぶくれを起こしてしまうのだという。
あるケースでは、発症5日目でも炎症が治まらず…さらに日が経つにつれて症状が悪化。
最終的に傷跡が残ってしまった。
また、もし樹液が目に入ってしまうと、失明に至る可能性すらあるという。
さらにティナさんの場合、体が毒物に激しく反応してしまい、脊椎に血栓ができ、退院後も6ヶ月間、車椅子生活を余儀なくされた。
実は、ジャイアント・ホグウィードの脅威は、我々にとっても決して人ごとではない!
なぜなら…今年6月、北海道大学の構内で、ジャイアントホグウィード、日本名バイカルハナウドに良く似た植物が見つかったのだ。
さらに、そこから約5km離れたサイクリングコースでも、同じ植物の存在が確認され、いずれもすぐに駆除された。
今回、北海道の2箇所で発見された植物について専門家は?
国立研究開発法人国立環境研究所、農学博士 五箇公一氏は、こう話してくれた。
「今回発見された植物自体は、ジャイアントホグウィードと言われる植物と非常に似ているのだけれど、同一種かどうかっていうのは確認ができていないということです。ただし、今回発見された植物は、ジャイアントホグウィードと同じメトキサレンという光毒性成分を持っていることがわかっているので、やはり樹液との接触で被害が生じるリスクが高いと想定されています」
それにしても、国内には存在しないはずの植物がなぜ、今回発見されたのか?
五箇「いろんな国からコンテナで物が運ばれてくると、そういったコンテナの中にこういった植物の種子も紛れて入ってきて、そういったものが荷物ごと運び出されたり、あるいは風で飛ばされたりということで、日本国内で分布を広げるということが起こる。今回のこのバイカルハナウド(に似た植物)についても、おそらくそういった形で非意図的に海外からの資材の輸入というプロセスに紛れて入ってきた可能性が高い。日本はまさに輸入大国ですから、これからもこういった危険な外来種が入ってくる可能性っていうのはますます増加してくるというふうに考えなくてはならないと思います」