オンエア
今から17年前、クリスマスで世間が幸せムードに包まれる中…アメリカ、ペンシルベニア州で世にも奇妙なミステリーが起こった!
ホームセンターで働くステイシーは、夫と離婚。
シングルマザーとして…3人の子供を育てていた。
毎年、クリスマスの時期になると…ステイシーの家は近所の子供たちの溜まり場になり…ひっちゃかめっちゃかの、カオスな状態になっていた。
そんな状態で、家の中のちょっとした物がなくなっていても、あまり気に留めていなかった。
クリスマスの時期、毎日がてんやわんやな状態だった。 そしてその夜、次女と一緒に映画を見ていたステイシーはいつしか、寝落ちしてしまっていた。 そして、次女に「クローゼットの中に誰かいるよ」と言われても、ドアの前に飾ってある人形のことだと思い、「あれはサンタさんよ」と言って娘を寝かしつけた。
ステイシーの家では、クリスマスイブの夜にプレゼントを開ける習わしがあった。
長女へのプレゼントは…携帯音楽プレイヤー。
その時はまだ、すでに起き始めている異変に誰も気づいてはいなかった。
迎えたクリスマス当日。
ステイシーたちは、朝から彼女の両親の家へ挨拶に出かけた。
家を開けたのは、ほんの数時間のことだったのだが…家に帰ると、長女の音楽プレイヤーがなくなっていた。
さらに、親戚の子供に渡そうと思っていたクリスマスカードと中に挟んでおいた現金も無くなっていた。
ステイシーは、念の為 警察に通報。
家の中を調べてもらったのだが…異常は見つからなかった。
そして、入念に家の戸締りを確認したのち…親戚の家へ出かけた。
その日の夜、帰宅したステイシーたち。 出かける前と変わった所がないかチェックしていると…かけたはずの裏口のチェーンが外れていた。 さらに…長女の音楽プレイヤーの充電器や、ステイシーのパソコンもなくなっていたのだ。
ステイシーは、すぐに警察に通報した。
内側にあるチェーンを外すことは家の中からではないとできない…警察は隣人を疑った。
実はステイシーの家は、隣人の家と繋がる連棟式建物。
ステイシーたちが住んでいるのは、建物の右半分で、左側には別の住人が住んでいた。
だが、隣人はシングルマザーではあるが、お金に困っている様子はなく、とても真面目で優しい女性。
ステイシーは彼女が犯人だとは思えなかった。
警察官たちは、犯人の痕跡が何か残っていないか、再び家の中を調べることに…だが、他に異常は見当たらなかった。
ステイシーたちは、このまま家にいることに恐怖を覚え、その夜は両親の家に泊まることに。
翌日、ステイシーは仕事があったため、荷物を取りにいったん一人で自宅に戻った。 その時、長女からお気に入りのワンピースがなくなってないか確かめて欲しいとお願いされた。 クローゼットの中を確認すると…そこには二つの足跡が!
実は…屋根裏には普段は立ち入ることのない空間があったのだが、施工ミスなのか、そこには仕切りがなく、隣人の家と繋がっていたのだ。
家の物が消え始めたのは、ほんの数日前。
そのことから、何者かがここ最近屋根裏に侵入し、潜んでいると考えられた。
いくらドタバタしていたとはいえ、寝室にあるこの入り口を見つけて、侵入したとは考えにくい。
しかも、足跡は大きく、男性のものと思われた。
屋根裏に潜んでいるのは誰なのか?
見当もつかなかった。
そこで警察は、屋根裏を調べる準備をすると、同時に隣人の家を訪ねた。 そして、何者かが屋根裏に侵入した可能性があるため調べさせてほしいとお願いした。 だが、警察が屋根裏へ通じる扉を押し上げようとすると、何かに押し返され、入ることができなかった。 屋根裏に誰が潜んでいるのは間違いない。 ステイシーの家にいた警察官も、屋根裏を調べようとしたのだが、入り口が狭く、入ることができなかった。
そこで警察は…警察犬を要請。
「屋根裏に潜んでいるやつに告ぐ、早くおりて来なければ、警察犬を屋根裏に放すぞ!」と宣告。
すると、男が慌てた様子で出てきたのだ。
屋根裏に潜んでいたのは、細身でステイシーのセーターや長女のズボンを履いた、だらしない格好の男だった。
男はその場で逮捕された。
屋根裏に潜んでいた男の名はスタンリー。
男が潜んでいた屋根裏からは…長女の音楽プレイヤーや、ステイシーのノートパソコン。
クリスマスカードと現金、炭酸飲料や歯ブラシ。
さらに、無くなった事に気づいてすらいなかった食料などもあった。
スタンリーは、いつ、どうやって屋根裏に忍び込んだのか?
およそ1ヶ月前、仕事もお金も失い、その日の暮らしにも困っていたスタンリーは、知り合いの女性の家に居候させてもらうことになった。
それがステイシーの隣人の家だった。
だが1ヶ月経っても、一向に仕事を見つけようとしなかったため…「いい加減仕事を探して来なさい!」と言われ、仕事を探しに行かされた。
だが、スタンリーは働く気など全くなかった。
季節は12月、例年よりも寒く、零度を下回る気温の中、行く当てがなかったスタンリーは、隣人が外出した隙に…屋根裏へと通じる入り口を発見。
細身だったこともあり、中に入れることに気がつくと…書き置きを残して、あたかも家を出て行ったかのように見せかけ…屋根裏に身を潜めることにしたのだ。
隣人の家からモノがなくなると、自分が隠れていると、バレてしまうかもしれない。 そこで、スタンリーは…ステイシーの家から飲み物や食料、衣服を調達。 さらに、一向にバレる気配がないことを知ると、スタンリーの行動は徐々に大胆なものとなり…音楽プレイヤーや、クリスマスカード、現金などにも手をつけた。
そして『スタンリーのクリスマス』というリストを作り…盗んだものを記録。
そこには…ステイシーの車のスペアキーもあったという。
裏口のチェーンが外れていたのは、屋根裏から降りて来たスタンリーが一時的に外出し、戻った際にかけ忘れたと考えられた。
その後、スタンリーは不法侵入や窃盗などの罪を認め、懲役9ヵ月から23ヵ月の刑と、1640ドルの賠償金の支払を命じられた。
ステイシー 一家は、その後別の場所へと引っ越し、現在は幸せな日々を送っているという。