オンエア
渋谷駅の断面図を見てみると、渋谷スクランブルスクエアの3階部分に地下鉄であるはずの銀座線が通っている!
一体、なぜ地下ではなく地上を通っているのか!?
そのアンビリバボーな秘密を確認するべく、渋谷のクスランブル交差点の周辺を見てみると…109などがある西側には道玄坂があり、表参道方向に当たる東側には宮益坂がある。 そう、渋谷の地形は文字通り、『谷』となっているのだ! その高低差は最大でおよそ20メートル。 これは6階建てのビルに相当するほどの高さ! そのため銀座線は表参道までは地下を通っているのだが、谷にある渋谷駅は地上3階にホームを作ったのだ。
そして、その特有の地形ゆえに、渋谷はずっとある問題に悩まされてきた!
それは…大雨による被害!
全体が谷になっているため、雨水が溜まりやすく、浸水被害が多発していた!
日本では大雨警報の基準とされる1時間あたり50mmを超える降水量の頻度が、近年は44年前と比べて著しく増えている!
新宿では去年の8月…大雨によってマンホールの蓋が吹き飛ばされた!
これはエアーハンマーと呼ばれる現象なのだという!
本来、雨水は地下の下水管を通って河川などへ流れ出るのだが、急激に雨水が下水管に流れ込むと水位が一気に上昇。
管内の空気が逃げ場を失って急激に圧縮されることで、マンホールの蓋を吹き飛ばしていたというのだ。
今年の7月、渋谷も大雨に襲われ、谷であるため水が溜まりやすく、高架下が冠水!
にも関わらず…翌朝には…なんと、跡形もなく水が消えている!
このような規模の大雨による被害が出ていない理由は、地下にあるという。
ということで向かったのは、渋谷駅東口バスターミナル!
普段は、立ち入り禁止の極秘地下ダンジョンに特別に案内してくれるという。
細~~い螺旋階段、これを使って地下に降りてゆく。
担当者に続いて階段をどんどんと下っていくスタッフ…1分ほど階段を降り、さらに先へと進む。
すると…!超巨大空間が出現!
地上から深さおよそ25m。
ビルでいうと地下8階分以上になるこの場所。
天井の高さはビル2階分、面積はテニスコートおよそ5面の広さにもなる。
ここは、雨水を貯留する施設だという!
渋谷では大雨による浸水・冠水被害をなくすために、今から5年前下水道管では流しきれない雨水を一時的に貯める、この貯留施設を東口ターミナルの真下に建設。
この施設は約4000tの雨水を貯めることができるという。
これはオリンピックで採用される国際基準のプール、約2杯分に相当。
これにより 1時間あたり50mmを超える滝のように降る豪雨でも、浸水・冠水被害を軽減できるという。
この施設は大雨が降り、下水道の排水能力を超えそうになると、マンホール内に造られた堰を超えこの施設に流れ込むのだ。
貯められた雨水は、ポンプを使って、晴れた日に下水道へ流されるという仕組みになっている。
ちなみに渋谷区はこの雨水貯留施設を略して「あめちょ」と呼んでほしいそう。 渋谷の大規模再開発工事では、新しい商業施設ばかりが注目されているが、街の輝きは、その地下で豪雨から街を守る「あめちょ」によって支えられているのだ。