オンエア
始まりは今から12年前、小学3年生になる息子、知隼くんが野球をやりたいと言い出した。
しかし、父・尚孝さんには、ある不安があった。
尚孝さん「ちょっと息子は体を動かすのが器用じゃない」
それでも尚孝さんは、息子の思いを尊重、知隼くんは少年野球チームに入った。
だが…
尚孝さん「投げるのも打つのも当然そうですし、これはひどいなみたいな感じで見てましたけどね」
そこで尚孝さんは、レギュラーを目指し、毎朝6時から7時の1時間、一緒に朝練をすることに。
日々の練習が実り、中学3年生で遂にレギュラーを獲得。
そんな知隼くんは、ずっとある夢を抱いていた。
それは、ホームランを打つこと。
中学軟式野球では一般的に飛距離約80メートルで、ホームランとされるが、グラウンドの形状にもよるため、それを目安に各学校が定めている。
知隼くんの学校の場合、校舎までは80m足らず。
3階以上に打球が当たるとホームランと認定される。
迎えた中学校最後の大会。
尚孝さんも撮影しながら試合の行方を見守った。
知隼くんのチームは順調に勝ち上がっていった。
そして自身の学校で迎えた一戦。
1点をリードされたまま6回のオモテまで進み、知隼くんの3回目の打席が回ってきた。
中学野球の試合は7回までのルールのため、このまま点が入らず負けてしまった場合、中学校生活 最後の打席になる。
初球は見送りストライク。
そして迎えた二球目。
知隼くんの打球は、なんと、校舎の3階に直撃!
それは、撮影していた尚孝さんも思わず声を出してしまうほど、完璧な同点ホームランだった。
残念ながらその後、チームは最終回で勝ち越され、負けてしまい、知隼くんの中学野球は幕を閉じた。
だが決して諦めることなく努力した結果、過去の自分からの大逆転を果たしたのだ。
尚孝さん「結果じゃないと思うんですよね。一生懸命何かをやり続けようよっていうのを、息子にはずっと言ってた。本当に大事なのは一生懸命何かをずっとやろうよっていうことを子供には伝えたかった」
知隼くんはその後、高校まで野球を続け完全燃焼。
現在は人の役に立つ仕事に就きたいと日々努力を続けている!