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真夏のビーチに潜む凶暴なサメ

バカンス気分が一転! 戦慄の恐怖体験

昨年7月、アメリカ・フロリダ州にあるナバー・ビーチ。 多くの人で賑わう、穏やかな光景が、恐怖の海へと変貌を遂げる。
多くの人で賑わうビーチに現れたのは…サメ!
浜辺付近の浅瀬にサメが現れるという、まさかの事態にビーチはパニック!

幸い、通り過ぎただけで怪我人は出なかったのだが…この映像を撮影していた女性はこう語る。
「サメが、浜辺で泳いでいる人たちの側を移動するのを見て、誰もが唖然としていました。私たちが『彼らの住処にいる』ということを忘れてはいけないと、改めて実感しました。」

その後の調査で、この時、出現したサメは、全長2メートル以上の『シュモクザメ』、通称『ハンマーヘッドシャーク』と呼ばれるサメだと推測された。 餌である魚の群れを追って浅瀬に近づいてきたと考えられた。 人間に危害を及ぼすことは少ないと言われているが、過去にはダイビングをしていた男性が右手を噛まれたというケースもあり、この時も、すぐに気付かなければ、被害が出ていた可能性があった。

実録! 突如襲われた女性の戦慄体験

実は、サメによる被害は、アメリカで相次いでいる。 そして、アメリカの中心都市・あのニューヨークでも、より深刻な被害が発生していた!
それが起きたのは昨年8月、クイーンズ区にある『ロッカウェイ・ビーチ』。 当時65歳だったタチアナは、そのビーチに一人で訪れていた。

しかし、タチアナは突如、悲鳴をあげて助けを求めた。
ライフセーバーに助けられ、なんとか陸地へと戻る事ができたタチアナだったが、彼女が苦しんでいたワケ、それは…左腿の大きな咬み傷。 タチアナは病院へ搬送された。

検査の結果、タチアナの左腿の一部は、サメに食いちぎられた事が判明。 8日間で5度も手術を受けるほどの重症だった。
その深い傷を見た外科医は「こんな傷は今まで見たことがない」と語ったという。

突然襲いかかったサメ…タチアナはあのサメで間違いないと確信していた。 それは…ホホジロザメ!
海の恐怖を描いた映画「ジョーズ」のモデルになったと言われるサメである。 餌としてオットセイなどの大型動物も食べることから、本来の獲物と間違えて人間を襲う事もしばしばある。 サメに襲われての死亡件数は、ホホジロザメが一番多い。 そんなサメに襲われたタチアナは、今現在も治療中だという。
とはいえ、サメに襲われるのなんて海外だけでしょ…と思った、そこのあなた! 日本でもタチアナのような被害に遭う可能性は十分あるのだ!

まさか! 日本でアイツが出現していた!!

今から2年前、山口県の瀬戸内海で、漁師の網にかかったのは…ホホジロザメ!
その大きさは、全長およそ3.5メートル。 捕獲した漁師によると、ホホジロザメが網にかかったのは初めてのことで、その巨大さに恐怖を覚えたという。
ホホジロザメは比較的、広々とした大きな海を泳ぐサメだが…瀬戸内海は狭い海峡で外洋と連絡し、陸地に囲まれた海。 ではなぜ、そんな瀬戸内海にホホジロザメがいたのか?
東海大学海洋学部 堀江琢准教授はこう話してくれた。
「エサが瀬戸内海に入っていった時、追いかけたり、瀬戸内海は非常に豊な海ですので、エサを取りに行っている可能性はあると思います。」
サメの中でも最も恐れられているホホジロザメは、日本全国どこにでも出現する可能性があるという。

さらに、我々を襲うかも知れない凶暴なサメは、ホホジロザメだけに限らない。
昨年、長崎県諫早市(いさはやし)。 釣り歴30年以上の杉山は、この日、カヤックに乗って釣りを楽しむため、何度も訪れている海へ。 彼はいつも、釣りの様子を撮影し、動画サイトに投稿している。 この日は、杉山以外に漁船や釣りを楽しむ人の姿はなかったという。

数時間かけ、釣れたのは小魚のみ。 諦めて岸へ戻ることに。
岸まで残り20メートル。 その時、海面に何かが当たるような音がした。 実はこの辺りでは、小型のイルカ・スナメリがよく現れるのだという。 杉山もその姿を何度も見た事があったため、スナメリが近くにきたと思った。

しかし…そこにいたのは、サメ!
断定は出来ないものの、杉山はあるサメだと直感した。 それは…イタチザメ
ホホジロザメに次いで、凶暴だと言われているサメで、おそらく全長3.5メートルはあると感じたという。 今から24年前、宮古島でサーフィンをしていた男性を襲い、死亡させた事もある。

そんなサメが杉山の周囲を泳ぎ出す。 しかも…6周も。
杉山は、サメにまつわるあることを思い出した。 それは以前、釣りの最中に漁師から聞いた話で…
漁師「サメが船の周りを回っている時は、相手のサイズを確かめている時なんだよ。」というものだった。

杉山に狙いを定めるサメ…その状況に彼は一か八かの賭けに出る!
実は漁師に「サメはこっちからぶつかっていったら、びっくりして逃げるよ。」とも言われていたのだ。
まずは、横からのアタックをさけるため、サメに船首を合わせ続ける。 そして、杉山は漁師から聞いた通り、サメに向かって突進! すると、サメは逃げていったのだ。 その後、杉山の前に現れることはなかった。

こうして、サメから逃げ切った杉山。 彼の行動に関して、専門家に伺ったところ…
堀江「非常に冷静に船の横から当てられないように前をむけてサメの様子を見ながら行動されていたので、素晴らしい事だと思います。」
スタッフ「サメに向かっていけば、びっくりして逃げるというのは、聞いたことありますか?」
堀江「それは私は聞いたことがないですね。」
では、サメと遭遇した時どのような対処がベストなのか?
堀江「慌てて音を立てるとサメも興奮してきますので、ゆっくり岸に向かって、丘に上がる事が一番の対応策だと思います。バシャバシャというのは、エサたちが暴れている音と似ているので、気を付けた方が良いです。」

そして近年、日本でのサメの目撃情報は増加しているのだという。
堀江「我々が調査している駿河湾も、過去はたいしてサメは出現していなかったんですけど、黒潮が大蛇行を始めて、それに伴ってイタチザメや外洋性のサメも見られるようになってきましたので、黒潮など暖かい水に乗って入ってきた可能性はあると思います。」
現在日本の海水浴場では、防護ネットを張ったり、ライフセーバーが監視したりするなど、ほとんどの場所で、しっかりと対策されているため、過度に心配することはない。
だが、海がサメの棲家である事も決して忘れてはいけない。