1月24日 オンエア
密着!子グマの保護施設
 
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この日、ロシアの森林保護センターにあるものが運ばれてきた。 それは毎年1月末から2月初旬に運ばれてくる。 箱に入っていたのはクマの赤ちゃんだ。
「母ぐまが木こりの乗るトラクターの音に驚いて子クマを置き去りにして逃げたのです。一匹では生きていけないので保護しました。」

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彼らは赤ちゃんクマを保護し、成長した後、元の環境に戻す活動を行なっている。
子クマが生まれてまもなくは、母クマに母性本能が十分に備わっていないため、大きな物音がすると、子クマを見捨てることが少なくない。 この施設では、そんな見捨てられた子クマを、およそ30年前から毎年5頭ほど保護している。 中には数百キロ離れた森からやってくるものも。

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彼らは、子クマたちが「人間に対する警戒心を持つこと」を忘れないよう気を配っている。
ロシアには現在約12万頭のクマが生息、人への被害も少なくない。 保護したクマたちが警戒心を持ち続けることで、人とクマが適正な距離感を保ち、共生ができると信じている。
そのため、こんなカワイイ子クマのお世話中も、人間の声に慣れないよう言葉を一切発しない。

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春、子クマたちは、ひとりでミルクも飲めるほど十分大きくなった。
頃合いを見計らい、街の離れにある小屋に移す。
クマたちを集団生活させ、仲間への愛着心を芽生えさせるのが目的だ。

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この年は5頭の子クマが共同生活を行う。
クマたちが小屋に慣れてからは、親代わりの育成スタッフ以外は、触れ合うことを禁じられる。 近くで撮影できるのはこれまで、離れた場所からの撮影を命じられた。

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それはそうと、子クマは可愛い!
枝に興味を持つ子クマ、これは巣作りの本能が芽生えた証。 木登りを始めた子クマ、これは危機回避のため欠かせない能力。
こうして彼らは自分自身で生きるための術を学んで行く。

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9月、冬になる前の実りの季節。 クマたちを野生に帰すときがやってきた。
識別タグと無線を付け、それぞれ保護した森へと輸送する。

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このクマは施設から数百キロ離れた森で保護されたため、車で輸送。
約7ヶ月、親に代わって育ててきた。 寂しさは残るものの…クマが一目散に森へ向かうのが、彼らにとっては何より嬉しいことだという。
「クマを保護するのは本来の姿ではありません。クマはクマの世界で生きていくのが一番なのです。」