1月10日 オンエア
仰天!ミステリースポット
 

【”愛の色”に変化する湿地】

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オーストラリア、ブリスベン。 昨年10月、この地で起こったミステリアスな現象が話題に。
その現象が起こったのは、ブリスベン東部、海に面したブーンドール湿地。 海水が流れ込む塩性の湿地で、多種多様な生物が生息しています。 そんなこの場所で…住民を驚かせるアンビリバボーな現象がわずか数日の間で発生したんです!
その実際の映像がこちら。
湿地の一部が、目にも鮮やかなピンク色になっています!
果たして、このミステリーの真相は?

グリフィス大学 オーストラリア河川研究所 教授、ミシェル・バーフォードさんによると…
「原因はピンク色の色素を持つバクテリアです。このバクテリアは塩分濃度の高い環境で増殖する傾向があります。」
実は、この湿地には元々、ピンク色の色素を持つバクテリアが生息していたそう。 でも非常に小さく数も少なかったため、水の色に影響はありませんでした。 しかし、昨年の冬のオーストラリは雨が少なく、例年以上に乾燥していた為、湿地の塩分濃度が上昇。
ミシェル「バクテリアの繁殖に適した環境ができ、水の色が変わって見えるほど増殖したのだと思われます」
湿地の色がピンクに変わった謎の現象、それは、環境の変化によって生じた、ピンクの色素を持つバクテリアの増殖が原因だったのです。 その後降った雨などの影響で、現在、湿地の色は元に戻ったとそうですが…自然が織りなす、なんとも奇妙な光景でした。

【実在した”悪魔の目”】

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中国、青海省…ここに「悪魔の目」と呼ばれるミステリースポットがある。 「艾肯泉(がいこうせん)という泉。 直径は10メートルほど。 一見、ただの湧き水にしか見えないが、これのどこが「悪魔の目」なのか?
実は、この泉を上空から見た光景が近年になって話題となり、その様子から「悪魔の目」と呼ばれるようになったのだ。

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こちらが、泉の真上からの映像。
まるで、赤い巨大な目がこちらを睨みつけているかのよう。 そう、この光景こそが「悪魔の目」と呼ばれる所以。
では、一体どのようにして、この光景が生まれたのか?

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実は、「艾肯泉(がいこうせん)」から湧き出る水には鉄イオンが多く含まれており、それが地表に出てきた際、空気と反応。 その結果、赤い鉄の酸化物が泉の周りに堆積し…光の加減によって、まるで赤い目のような光景に見えるようになったのだ。
中国の荒野に存在する「悪魔の目」…それは、地中から湧き出る水が生み出した、迫力のあるミステリースポットだった。

【直径100m”回転する土地”】

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南米・アルゼンチンに「悪魔の目」どころか、目そのもの、その名も「ジ・アイ」と呼ばれる場所が存在する。
首都ブエノスアイレスの北、車で1時間ほどのところに位置する湿地帯。 そこは朽ち果てた船や、先住民の墓地があるミステリアスな地域。 問題の場所を偶然発見し、調査を行った映画監督でプロデューサーのセルジオ氏によれば…その不思議さは、地上からではなく、上空からでしかわからないという。

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調査ポイントに寄ると…黒く見える部分は沼なのだが、その中に、丸くくり抜かれた島のようなものがあるのだ。 直径はおよそ100m。
しかも驚くなかれ、この「ジ・アイ」、衛星画像をいくつか確認すると、日によって 中の土地の位置が変化。 3ヶ月から半年をかけ、沼の中をぐるぐると回転しながら動いているという。
これは一体、どういうことなのか?

発見者のセルジオ氏は、このスポットをまるで「目」のようだと『ジ・アイ』と名付け公表。 すると…地元アルゼンチンはもちろん、世界中のメディアが報道。 「UFOが発着する際の目印ではないか」など、宇宙人と関連付ける声も数多く上がった。
果たして『ジ・アイ』とは一体、何なのか? それを飛行機から捉えた、実際の映像がある。 そこには確かに、沼に浮かぶ謎めいた円形の陸地があった。
我々はアルゼンチンに住むセルジオ氏に接触。 『ジ・アイ』の撮影ができないか、打診。 だが…「『ジ・アイ』は有名になりすぎて荒らされてしまいました。なので現在、国の管理下に置かれ、誰も近づけないようになってしまったんです。」
なんと、残念ながら、『ジ・アイ』の中に入ることは叶わないという。

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だが…「実は国内には他にも『ジ・アイ』と同じような場所があるのでそこならば撮影可能です。」
そこで…ブエノスアイレスから約1000キロ、パラグアイとブラジルの国境に近い、コリエンテス州の田舎町に移動。 ロケにはセルジオ氏も同行してくれた。

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町の中心部から車で移動すること約1時間、ずいぶんと辺鄙な場所にやってきた。 ここから先は車での移動は困難。
ぬかるんだ湿地帯を進むため、完全防備で挑むことに。 今年は干ばつで、水が干上がっているとのことで、地面も乾いていて比較的歩きやすくなっていた。
そして、歩くこと30分。 ついに…目的地に到着した。
目の前に大きな沼が!そして、その中には植物が生い茂る島らしき一帯が! 地上からでは全体の姿が掴めないため、ドローンを飛ばし上空から撮影することに。

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それではご覧いただこう!これがコリエンテス州のジ・アイだ。 そこには本家のジ・アイよりは一回り小さいが、直径60メートルほどの円形の土地が…今年は干ばつで、沼の大部分が干上がってしまったという。 普段はジ・アイにかなり似た形をしているという。
しかし驚くのはまだ早い、我々が訪れた この『ジ・アイ』の周辺には…他にも同じような形をしたものが多数存在するのである。 しかも…今年は水が少ないため回転するかはわからないが、例年であれば、いずれの場所も回転するのだという。

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一体なぜそんな現象が起こるのか?
その謎を探るため、我々は上陸を試みることに…そして驚愕の事実が発覚する!
実はジ・アイの瞳の部分は、ほぼ水草でできた浮島だったのだ!

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そもそもなぜ、こうしたジ・アイのような円形の浮島ができるのか? その秘密に迫るべく、アルゼンチンの地形に詳しいイグナシオ教授に話を聞いた。
「あれらの浮島は、風などの影響で沼の淵とぶつかったり離れたりを繰り返すことで、30年くらいの時間をかけて、丸い形に整えられていったと考えられます」

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教授によれば、洪水などによって湿地帯にできた沼の周辺に水草などが成長。 その後、干ばつや、豪雨による洪水を繰り返すことで、水草が育つ場所にムラができる。 一方、沼の淵もまたダメージを受け、脆くなった部分が分離していく。 こうしてできた浮島は 水草の成長とともに大きくなりながら、風などで沼の中を漂い、淵とぶつかることで、丸い形に整えられていく。

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しかし、ナゾは残る。
セルジオ「このコリエンテス州のものは、私が発見したジ・アイと確かに似てはいますが、本家とは明らかに違う点があります」
セルジオ氏によれば、本家の『ジ・アイ』は他の浮島に比べ、ほぼ真円に近い形をしている上、回転する速度も速いというのだ。
実はそのナゾを解く鍵は、セルジオ氏が『ジ・アイ』を撮影した映像の中にあった。 お分かりだろうか?水が透き通っている。 ちなみにコリエンテス州の『ジ・アイ』の場合、水中にカメラを沈めてみても…何も見えない。 その差は一目瞭然、ここに謎を解くヒントがあるという。

イグナシオ教授「本家『ジ・アイ』の場合、少なくとも2つの方向から沼に湧き水が流れ込んでいます。この湧き水によって水が透き通るだけでなく、回転が促進され、より真円に近い形になったんです」
そう本家『ジ・アイ』の突出した完成度は、沼に湧き水が流れ込んでいることが原因だったのだ。
アルゼンチンに存在する回転する土地。 それはいくつもの偶然が生んだ、奇跡の島だった!

【地球最後のフロンティア】

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地球の表面、約70%を占める海。
未だ、多くの謎に包まれた場所だが、その中でも特にミステリアスな領域、それが…深海
深海とは、一般的に「水深200m」より深い海のことを指し…その体積は 海全体の約95%を占めるという。 これは太陽の光が海面のおよそ0.1%しか届かないため、植物プランクトンが光合成可能な限界とされる水深。 そう、深海は、暗闇に包まれた世界なのだ。 また、地上における空気の圧力は「1気圧」1平方センチメートルあたり、約1キログラムの力が あらゆる方向からかかっているのだが…水深が約10m深くなるごとに、かかる水圧は1気圧ずつ大きくなり…水深1000mでは、地上の約100倍もの力がかかる。 そう深海は、高圧の世界でもあるのだ。

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そんな特殊な領域を探索するために作られた調査船が日本に存在する。 それが、この「しんかい6500」
その名の通り、水深6500mの深海まで潜ることが可能な、有人潜水調査船。
高い水圧に耐えられるよう、コックピットは厚さ約7cm、内径2mのチタン合金で出来た球体となっている。 暗闇の中でも調査が行えるよう、船体には最大10m先まで照らすことが可能な強力なライトが装備されている。
世界的に見ても、これほど深くまで潜水が可能な有人の船はごくわずか。 海底の地形や地質、深海生物の調査などで大きな成果を上げている。

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ここからは、そんな「しんかい6500」を始めとした調査船や、専門家による研究の結果 明らかとなってきた、深海の世界をのぞいていこう。
水深 約800m。
人間の目では光が認識できないと言われるこの場所で、探査機が捉えたのは「メンダコ」。 一般的なタコと同じく8本の腕を持っているが、その大部分が腕と腕の間にある膜によって覆われているのが特徴。 この腕と膜、二つの小さなヒレを使って移動する。 さらに、一般的なタコは外敵の視界を遮るために墨を吐くことがあるが…深海の暗闇の中では、効果が小さい為、メンダコを含む多くの深海のタコは墨を持たないという。

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続いては、水深 約1700m。
生物が検知できる光の限界とされる、水深1000mよりもさらに深い場所。 そこに現れたのは…ジュウモンジダコの仲間。 このタコもメンダコと同じく、墨を持たない。 メンダコよりも大きな、耳のように見えるヒレを使って泳ぐのが特徴で、その姿がディズニー映画に出てくる、大きな耳で空を飛ぶゾウのキャラクター「ダンボ」に似ていることから「ダンボオクトパス」と呼ばれることもある。
こうした深海に住む生物の多くは、体の中に気体の入る隙間がない構造になっているという。 圧力が加わると、気体の体積が極端に小さくなるため、深海の高圧な環境下では潰れてしまうからだ。

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さらに深く、水深 約2200m。
1平方センチメートルあたり、約200キログラムもの水圧がかかるこの場所にいたのは…ナマコ。 浅瀬にいるナマコは動かないイメージが強いが…深海のナマコは大きく飛び跳ね、長い距離を移動することがある。 これは、餌が少ない深海において、食べ物を求め、大きく移動するようになったからではないかと考えられている。

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深海には他にも変わったナマコがいる。
こちらの「ユメナマコ」は…海底を進みながら、触手を使って、砂の中の餌を探すのだが…なんと食事以外の時は海中を泳いでいる。
実は、ユメナマコを始めとした深海のナマコの中には、一般的なナマコには無い「ヒレ」を持ち、泳ぐことができる種が存在する。 一説にはこれも、餌を求めて広範囲を移動できるようにするためではないかと言われている。

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まだまだ潜ろう。水深 約3100m。
1平方センチメートルあたりの圧力が100キログラム近く増えたこの海中で「しんかい6500」が撮影したのは、「オオイトヒキイワシ」という魚。エサの少ない深海で 活発に動くようになったナマコとは反対に、エネルギーをできるだけ消費しないよう、泳がずに海底でじっとしていることが多いという。
脚のように見えるのは、長く伸びた二つの腹ビレと尾ビレ。 これらを使って海底に立つ姿から「三脚魚」とも呼ばれている。
暗闇に住むため、目は退化し小さくなっているが…その代わりに胸ビレは水の流れを感じ取ることに優れ、餌となるプランクトンなどがどの方向から流れてくるかを感知できると言う。 また、この胸ビレを腹の方にも動かすことが可能で、流れてくる餌を効率よく待ち伏せするのに役立てている。

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ちなみに、一般的な魚は、気体の入った浮き袋によって浮力の調整をしているが…深海ではタコの場合と同様、圧力の影響を受け、気体の入った浮き袋は潰れてしまう。 その為、深海に生息する魚は浮き袋がなかったり、気体の代わりに水よりも比重の軽い油を浮袋に溜め、浮力を調整していたりと様々な対策をとっているという。

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さらに限界へ…水深8000m超。
これは2年前に日本近海で撮影された光景。 画面左から一匹の魚が泳いできているが、実はこの魚…深海探査史上「最も深い場所で確認された魚」なのだ! この魚はスネイルフィッシュと呼ばれる深海魚の仲間と見られており…昨年4月、ギネス世界記録にも「世界で最も深い場所で確認された魚」として認定された。

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だが、それよりさらに深い場所にも生物は生息している。
世界で最も深いとされるマリアナ海溝。
水深、実に約1万900m。 ここで確認されたのは…「カイコウオオソコエビ」。 海底に沈んできた他の生物の死骸や木屑などを餌にしていると考えられているが、生態の多くは、まだナゾに包まれている。

日々、新しい発見がなされる深海の世界。 一説には、宇宙よりも謎が多く、たどり着くのが難しいとも言われる未知の領域。 我々の想像を超えた不思議な生物が、まだまだ生息しているに違いない。 深海、そこは、地球最後のフロンティア。 多くの謎が隠された、広大なミステリースポットなのだ。