11月1日 オンエア
ミステリーSP part 2
 

【なぜ? 血液型で親子関係が否定】

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今から9年前の6月。 アメリカ・ワシントン州に住むサムは、妻との間に第2子を授かった。 家族が増え、賑やかな生活になる、そう胸を踊らせていた。
だが…赤ちゃんの血液型が夫婦を困惑させた。 夫サムと妻の血液型は共にA型。 この組み合わせで生まれてくる子どもはA型かO型のはず。 しかし、子どもはA型同士からは生まれてくるはずのないAB型だったのだ。

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納得のいかないサム夫婦は、より正確な親子鑑定を行うため、DNAを調べてもらうことに。 その結果、サムと生まれた子供は遺伝子上、親子ではないと判定されたのだ。
実はサム夫妻は不妊治療を行なっていて、人工授精によって第2子を授かっていた。 そのため、彼らはまず病院が人工授精を行う際、サムではない別人の精子と取り違えて使ってしまった可能性を考えた。 しかし、調査の結果、間違いなく、病院での取り違えはないということがわかった。

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そうなると、考えられる可能性は一つ。 妻が不倫をしていた以外ない。 しかし、妻としてもそんなことには全く身に覚えがなかったのだ。
不妊治療のミスではなく、妻も浮気をしていない。 しかし血液型、DNA鑑定では、父親であることを否定されたサム。 では、生まれてきた子どもは、一体、誰の子どもなのか!?

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子供の父親は一体誰なのか? サム夫婦は藁にもすがる思いで、遺伝子学の専門家、マイケルベアード氏に相談。
ベアード氏が行ったのは徹底的な調査だった。 サム夫妻だけでなく、長男、サムの両親、妻の両親も検査に協力、サムからは髪や皮膚、血液などあらゆる場所のDNAを採取し、より高精度な遺伝子検査が行われた。
その結果、ついに父親の正体が判明。 その人物とは!?

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精密な遺伝子検査の結果、子供の父親は、なんとサムの兄弟だというのである。
ところが、「それはありえません。だって私には、兄弟なんていませんから。」
そう、実はサムに兄弟はおらず、ベアードの出した結論はとんでもない誤りに思えた。 しかし…なんとサムの体には、自身の遺伝子と別に、もう1人の遺伝子が存在しているというのだ。 一体どういうことなのか?

今回検査を行ったベアード氏本人から話を聞くと…
「サムさんのような人のことを医学では、キメラ体と呼んでいます。」
キメラとは、ギリシャ神話に登場する「頭はライオン、胴体は山羊、尻尾は蛇、口から火を吹く」という想像上の生き物、キマイラに由来する医学用語。 同一の個体内に異なる遺伝情報を持っていること、またはそのような生物を指し、存在が確認されている動物もある。 そしてそれは、人間にも当てはまるというのだ。

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そして、実はサムにはベアード氏がキメラ体の可能性を疑う、ある特徴があった。 サムは肌の色が一部違っていたのだ。
サムは自身の肌の色が一部違うことについて、記憶にない火傷の跡と思い込んでいたが、そのことについてベアード氏は…
「肌の色が混在しているのはキメラ体によくある特徴で、当初からその可能性はあると思っていましたが、その後、サムさんの精子の中には10%ほど彼の兄弟にあたる存在の遺伝子があることわかったんです。」

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なぜサムはそのような特殊な体に生まれたのか?
実はサムの母親がサムを身ごもった当初、彼は二卵性の双生児だったのだという。 近年の研究により、全体の8分の1もの割合が、妊娠時に単独妊娠ではなく、多胎妊娠だったことが明らかになっている。 それでも、ほとんどの場合妊娠初期に1つを残して他は子宮に吸収されてしまう。

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ところがサムの場合、何らかの作用が起こり、子宮ではなくサム自身が双子の兄弟の細胞を吸収。 自分の一部にした結果、サムの体は、自分と吸収されて消えたはずの兄弟の遺伝子が混在する非常に稀な体質になったというのである。
つまり、遺伝子的には親子関係が否定される結果となったものの、生まれてきた子供の父親は、紛れもなくサム本人だったのだ。

今回彼は、偶然生まれてきた子供と血液型の不一致があったことで、自身がキメラ体であるという真相にたどり着くことができたが…
ベアード「実の親子であっても、血液型の不一致や親子鑑定の否定は起こりえます。人間のキメラ体が生まれるのは1万人に1人くらいとも考えられており、そもそもその数は私たちが予測しているより、はるかにに多いのかもしれません。」

【モアイは立って移動した?】

南米チリ領、イースター島にある石像彫刻モアイ。
重量およそ20トンにも及ぶこの像は、この島の先住民だった「ラパヌイ」と呼ばれる民族が13世紀から16世紀にわたって建造したと言われている。 しかしその目的など、未だもって不明な部分も多く、現在も多くの人が古代のロマンに心躍らされている。

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そんな多くの謎を持つモアイ像だが、長年研究者たちの間で最大の疑問とされてきたことがある。 それは、彼らはモアイをどうやって移動させたのか、ということ。
像の製造は島東部にあるラノララクという石切場で直接掘られたことがわかっている。 しかし、完成したモアイ像はそこから最大で15km以上離れた海岸などに多く並べられており、重量20トンもあるモアイ象をどのようにして運んだのか、長年、研究者たちも全くわからず、数十年前まで先住民たちの伝説として残っていた「モアイは自分で歩いた」という説が正しいのでは、などの冗談さえ囁かれるほどだったという。

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だが、その後の研究で、現在はほとんど樹木のないイースター島だが、かつてはヤシの木を中心とした豊かな森林があったことが判明。 そこで近年では、彼らがモアイを丸太の上に横たわれらせ、それを引っ張ったり転がしたりして移動させたのでないかという説が有力となっていた。
しかし2012年、アメリカの大学教授がとんでもないことを言い出す。
「やはりモアイは歩いて移動したのでは?」
なんと先住民の伝説通り、モアイは歩いて移動した可能性があると言い出した。

その教授によると、実は丸太説では説明し切れない問題があるのだという。 それが、モアイにできた傷だ。
島には運搬途中で道端に放置されてしまったと思われるモアイがいくつか存在するのだが、そのモアイには倒れた際にできたと思われる傷があった。 それはつまり、モアイは横に寝かせた状態ではなく、立たせた状態で移動していた可能性が高いことを示している。 さらに教授は、モアイのお腹が出ていることによって、その重心が前屈みであることにも注目。 研究の結果ついに一つの答えに辿り着いた。

そして彼らがその理論を実証するために行った実際の実験映像がある。
なんと本当にモアイが立った状態のまま動いている!
この実験で使用されたモアイはレプリカだが、それでもおよそ5トンもの重量がある。 しかしモアイが前重心になっていることで、顔をロープで結び、左右から人力で引っ張りその体を揺らすと、モアイを立った状態のまま移動させることができることを実証したのだ。
もちろん、本当の真相はタイムスリップしてみないことにはわからない。 しかし、先住民の伝説通り「モアイは自ら立って移動した」という説が現在科学的にも最も可能性の高い説として考えられるようになったのもまた事実である。

【なぜここに!? 山中に佇む一軒家】

山の中腹に一軒の家が見えます。
一体なぜこんなところに建てたのか? このミステリーの真相は!?
実はこの家これ、電力会社の駐在所。
この家はポルトガルの島の中に建てられています。
その目的は…島にある水路の流れを監視しているのです。 この島には天然の川がなく、水路は生活用水の他、発電にも使われる大切なもの。 流れが滞った場合は工事も行います。 水は島の生活の必需品。 このような駐在所は水路に沿って数か所あり、365日、24時間、島の生活を守っているのです。