9月14日 オンエア
バズって人生がとんでもないことになっちゃったSP
 

【炎上がきっかけで広がる奇跡の連鎖】

これは南アフリカにあるケンタッキーフライドチキンの店内で、男性がひざまずき、サプライズプロポーズをした。 歓迎ムードの店内。
その後、通りすがりの人がこの模様をSNSに投稿。 しかし、動画に映っていたカップル、ヘクターさんとノンさんは二人ともSNSをやっていなかったこともあり、この時 自分たちのプロポーズ動画が撮影され、ましてや投稿されていたことなど知る由もなかった。

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そんな二人の人生に異変が訪れたのは、プロポーズの翌日、ケンタッキー本社が突然、二人にプレゼントを渡したいと連絡してきたのだ。 そう、じつは投稿されたプロポーズ動画は、偶然すぐにケンタッキー本社の社員の目に留まることとなり、感激したケンタッキー社は二人を探そうとSNSで呼びかけていたのだ。
そして、なんと車をプレゼントされることに! しかしケンタッキーは、なぜたった一日で、名前もわからず、SNSすらやっていなかったカップルの連絡先を入手できたのか? そこには、意外な理由があった。

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ケンタッキー本社が行った投稿には、その後数件の情報や二人を祝福するコメントが寄せられていたのだが、その中に「ケンタッキーでプロポーズするなんて、恥ずかしくない?」と二人を馬鹿にしたような心ないコメントを書き込んだものがいた。
すると…「恥ずかしいのは君の品性だよ」
「どうしてそんなひどいことが言えるの?」
など、主にコメントをした女性が猛反発にあう炎上騒動に発展したことで、その大元の投稿であるケンタッキー本社による二人を探す呼びかけが瞬く間に国中で拡散され、多くの情報が寄せられることに。 その結果、彼らはたった1日足らずで二人の連絡先を入手できたのだ。

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だが、この炎上騒動こそがその後、二人を更なる奇跡に導いていくことになる。
翌朝、2人はケンタッキーが投稿した自分たちの動画を見ようと普段はやっていないSNSを開いてみた。 すると…なんと炎上騒動で二人を知ったケンタッキーとは全く関係のない航空会社からも、プレゼントの申し出が寄せられていたのだ!
さらに、その40分後にはあの大手自動車会社のアウディから、
「ケープタウンまで遠いですよね。車(Audi)はうちが手配しますよ」
さらに、さらに、その1時間後にはコカ・コーラから
「(ケンタッキーの)チキンとコークは相性抜群ですよ。結婚式のドリンク類は全てうちが」
さらに、さらに、さらに、システムキッチンのプレゼントや、電気代1年分がタダなど、その後もさまざまな企業からの二人に対するプレゼント攻勢は終わる気配を見せず、ついに、この年の大晦日に行われた2人の結婚式では、ホテルから結婚式会場代がプレゼントされ、他にもウェディングドレス、ジュエリー、ケーキ、吹奏楽隊、司会者などなどなどなど、二人へのプレゼントは少なくとも103社からの113項目以上にのぼった。

プロポーズ動画がバズって、アンビリバボーな祝福を受けた二人…
ヘクター「彼女のために盛大な結婚式を挙げたいとは思っていても、どうすれば実現出来るのかは正直分かりませんでした。それがこんなことになるなんて僕の彼女へのサプライズは成功したけど、もっと大きなサプライズを自分たちがされるなんて、夢にも思っていませんでした。」

【サイン会0人からの奇跡!!】

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今年の7月2日、テキサス州の都市、フォートワースにあるスーパーの一角で、朝9時の開店時からある作家がサイン会を兼ねた本の販売を行っていた。 しかし、まったく売れない。
彼の名前は、ショーン・ワーナー58歳。 エンジニアを退職後、少年の頃からの夢だった小説家として念願のデビュー。 長編ミステリー小説を出版したばかりの新人作家だった。 だが、現実は厳しく、開店から昼が過ぎ、夕方になっても誰1人ショーンのテーブルに立ち寄ることはなかった。

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一冊も売れないまま、7時間ほど経った頃、近所に暮らす動画投稿が趣味の一般人、レッドがスマホを片手に「会話を撮っても良いですか?」と話しかけてきた。 そして、小説の内容などを話した。 レッドが自分の分とプレゼント用にもう一冊、本を買ってくれた。
結局、この日はその2冊しか本は売れなかったが、青年との会話でショーンの心はほんの少しだけ軽くなっていた。 しかし、このことがその後、彼の人生に大変な事態を招くことになる。

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それはサイン会の翌日、娘に「ねえお父さんが映ってる動画が、大変なことになってるわよ!」と言われた。 その動画は、前日に会った青年レッドが自らのSNSにサイン会で撮影した映像を上げたものだったのだが、フォロワー数300人程度の一般人である彼の投稿した動画がなんとたった24時間で、じつに300万回も再生されていたのだ!

しかし、一般人が撮影した売れない新人作家との会話が、いったいナゼ突然こんなにもバズったのか?
レッド「どうしてこんなにバズったのか、自分でも分かりません」
なんとレッドさん本人もなぜバズったのか全くわからないと回答。 しかし投稿された動画のコメント欄を見てみると…
「落ち込んでいた彼の顔が、みるみる明るくなってる!」
「動画を見ただけで、ほっこりする」

心温まるやりとりと、ショーンさんの穏やかな佇まいが多くの人の心に癒しを与えていたことがわかる。

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だが、ショーンさんの人生に起きた大変な事態とは、この動画がバズったことではない。 突然その日から本が爆発的に売れ始めたのだ!
そして、あのサイン会から1週間後には、Amazonでの売上が小説部門だけでなく、全世界の全ての本のジャンルの中で、第1位になったという! 動画がバズったら、全世界第一位のベストセラーが誕生した!

ほんの1週間前には、1日中スーパーに並べていても殆どの人が素通りしていた小説が、何故、ここまで売れたのか?
レッド「いくら動画がバズったと言っても本の売り上げにそこまでの影響があるとは思いません。動画はあくまでそのきっかけで、結局はショーンさんの本が素晴らしかったから売れた、それだけのことだと思います。」

そして、今やショーンさんは、朝の人気番組に出演するほど有名なベストセラー作家となった!
ショーン「他人の優しさが、どれだけ人に影響を与えるかを知りました。あの日、レッドさんはアイスクリームを買うためにやってきただけでしたが、彼のお陰で私の心は明るくなり、最終的には人生まで明るくなったんです。」

【大赤字! 崖っぷちホテルに起きた奇跡】

沖縄屈指のリゾート地・恩納(おんな)村に今、大人気のホテルがある。 しかしこのホテル、少し前までは今にもつぶれそうな大赤字のリゾートホテルだった。 およそ20年前に開業した『なかどまINN』、オープンから10年ほどは順調だった客足もコロナ禍の数年前から減少。 先代の社長である父から、経営を受け継いでいた玉城悠さんは、当時をこう振り返る。
「どうしようか迷って値段を3分の1まで下げたんですが、お客さんは入らず戻って来ることはなく、ホテルを売却して他の事業をはじめようかなと…そういった事も考えていました。」

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ホテル専門のコンサルタントにも相談したが…専門家もお手上げの状態。 そこで、今から2年前、玉城さんは最後の手段として、ある人物に再建を依頼した。
その人物とは、片岡力也さん。 無精髭にラフなTシャツ姿の青年だった。 数年前知人の紹介で知り合った、玉城社長と同い年の33歳だった。 実はこの片岡さん、あることでかなりの注目を集めていた凄腕のインフルエンサーだった!

片岡さんが一躍脚光を浴びたのはその前年のこと。 当時、世界を旅して回っていた彼は、西アフリカの島国・カーボベルデに滞在していた。 しかしそのさなか、新型コロナが流行し、出国不能に。 やがて資金も尽き、途方にくれる中で彼が起死回生の策として行ったのが、ホテルや飲食店のプロモーションビデオ作り、それを現地のSNSでバズらせることで、お礼として宿泊代や食事提供を受けることに成功。
その後、彼のSNSの影響力がカーボベルデ政府にも認められ、延期になっていた東京オリンピックの公式アンバサダーにも就任。 SNSだけを武器に言葉もほとんど通じない国で、出国許可が降りるまでの、実に1年3ヶ月を乗り越えてしまったのだ。

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当時、そんな片岡さんがちょうど日本に帰国していることを知った玉城社長は、片岡さんの力を借りることにしたのだ。 こうして、潰れかけだったリゾートホテルの再建は国際的なバズらせのプロ、片岡さんの手に委ねられた! ホテルの状況を一通り把握した片岡さんは、「改善すべき点がありすぎますね。でも、むしろ大歓迎!ダメな点が沢山ある方が成功します!」と言った。

その後、片岡さんは自らのSNSに一本の動画を投稿した。
その動画で、アイデアやスタッフなど、あらゆることを募集した。 彼は自らをあえて「ど素人」と称し、このホテルをSNSを見ている全ての人とともに作り上げていくことしたのだ。 視聴者を「お客さん」ではなく、当事者として巻き込む、それが片岡さんの作戦だった。
しかし一体どうやって、視聴者たちをその気にさせ参加してもらえるようにするのか? そこには、片岡さんの編み出した数々のバズらせ術があった。

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参加してもらう以上、その実感を視聴者に持ってもらう必要がある。 なので、片岡さんはどんなに実現が不可能そうなプランでも必ず真剣に検討し、その結果をSNS上で発表。
「ありえない子供が考えるようなネタでも、しっかり本気で向き合いたいですね。そうするとみんなもコメントしてくれるし、僕もおもしろいし。」

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そして、視聴者のモチベーションを上げる、もう一つの策が、決定事項は全て多数決で決める!
片岡さんは経営の改善案や客室のリノベーションプランはもとより、ホテルの名前までアイデアを募ったのち、多数決で決定することに拘った。 結果、ホテル名の募集にはなんと1500もの案が寄せられ、それら全てを候補に多数決を取った。

こうして決まったホテル名、それが『BUZZ RESORT バズリゾート
事実、この頃には、ホテルのSNSを開設してからまだ1月半ほどしか経っていなかったにも関わらず、動画の累計再生回数は500万回を記録! あっという間にバズらせることに成功していた。 だからこそ多くの人が「バズリゾート」という名前を支持したのだ。

その後も「バズリゾート」のファンは増え続け、同時にボランティアスタッフも急増。 ドライフラワー部屋、宇宙部屋など、視聴者投票による多数決によって決定した客室のリノベーションも次々と完成して行った。 その結果、倒産寸前の状況からわずか1年余りで黒字化と超V字回復を果たすことになったのである!
最後に、今回のプロエクトが成功した理由を片岡さん本人に聞いてみると…
「僕、バズらせるのが好きというより、面白いことしたいんですよ。だから見てる人が楽しめるようなことを常に考えてますし、その上で自分が楽しめるようなアカウント運営というか動画投稿を意識しています。」

【愛犬と飼い主に訪れる数奇な運命】

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千葉県で暮らす佐藤敦子さんは、夫と二人の息子、愛犬と平穏な生活を送っていた。 だがある時、身に覚えのないバズりに巻き込まれ、日常が一変! 一人の女性と愛犬の数奇な運命とは!?

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幼稚園の先生教諭としてフルタイムで働いていた敦子さん。 彼女の毎日の楽しみは、愛犬かぼすとのブログを更新する事。 彼女のブログは、愛らしいかぼすの姿や、綺麗な風景の写真だけでなく、優しく柔らかな語り口で、人気があった。

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今から13年前、運命の時が訪れる。 なんて事はない日常を収めた一枚…のはずだった。
3年後、家族でキャンプに訪れた時、友人から一通のメールが届いた。
「コレ、かぼちゃんじゃない?」
そのメールに書かれていたURLをクリックすると…彼女は信じられないものを見た。 それは…見渡す限りに並んだ愛犬かぼすの画像! 3年前ブログにアップした写真が無断で加工され、ネット上で世界中に拡散され、海外でバズりまくっていたのだ!

不特定多数の人たちによるネット上での拡散だったため、詳しい経緯は判明していないが、次の様に推測されている。
敦子さんがブログに写真をアップしてから数ヶ月後、何者かが画像を無断でコピーし、アメリカの掲示板サイトに投稿。 すると、人間の様な味のある表情が海外のネットユーザーのツボにハマったのか、かぼすの面白画像が山の様に作られ、2013年にネット上で爆発的に広まったのではないかと。

拡散されているのは、間違いなく愛犬のかぼす。 だが、その名前は…ドージ。 日本でもインターネットスラングで、イヌに小さい “ツ” を加え、“イッヌ”と表現する事がある。 同様に海外でDOG(ドッグ)にEを加えた、DOGE(ドージ)という言葉が流行った。 それが、かぼすの画像がバズった時期と重なり、ドージという名前のキャラクターとして定着してしまった。
そして2013年、アメリカでネット上などで拡散されたコンテンツのランキングで、DOGE(ドージ)が1位に選ばれるほどの爆発的なバズりとなったのだ。
敦子さんはこのことについて、こう話してくれた。
「1枚の写真が本当にこんなに簡単に広まってしまうんだなっていう。怖いなって思いました。」

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敦子さんが海外でのバズりに気づいた直後、彼女の元に謎の英文メールが大量に届いた。 敦子さんはブログで知り合った英語の得意な友人に相談。 翻訳してもらった所、メールのほとんどが、取材の打診であると分かった。 記者たちは敦子さんのブログにあったメールアドレスを見つけ、連絡していたのだ。

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どう答えていいかわからないものも多かったのだが、DOGE(ドージ)の正体を知るため、本気で取材したいと考える記者もいるようだった。 敦子さんは真剣な人の取材には答えたいと思い、引き続き友人に翻訳をお願いした。 そして取材された内容が海外で記事になり、“ドージ” というキャラクターの正体が実在する“かぼす”という犬であると紹介された。 実は、かぼすは殺処分寸前に救われた保護犬。 記事ではそんな生い立ちも明らかにされたことによって、かぼすの話題は海外でさらに拡散されていった。
敦子さんはこう話してくれた。
「嬉しいコメントをいただけるんですね。嬉しかった反面、画像を使って商品を作って、お金儲けをしている方も沢山いるっていうのはちょっとむなしさを感じました。」

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かぼすがいくら海外でバズっても、夫婦共働きの生活は何も変わらなかった。
記事が出た翌年、敦子さんの家には海外で暮らす、かぼすのファンが訪れるようになった。 そして、海外在住の友人も増えていった。

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そして7年後、またもや、恐怖の英文メールが大量に届いた。 今度のメールは、ネット上で取引されるデジタル資産について書かれているようで、難しくて内容が理解出来なかった。
敦子さんは、かぼすのファンだったことで友人になった、あやさんに相談することにした。 実は、あやさんは、時価総額世界2位の仮想通貨イーサリアムに関する非営利団体の幹部で、デジタル資産のスペシャリストだった。

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現代の技術を使えば、画像のオリジナルデータに、“これが本物である”という、証明書のような物をつける事が出来る。 それは、コレクターの間で絵画の様に資産価値があるものとみなされ、オークションなどで取引される事もある。 つまり、敦子さんに届いたメールは、“専門的で面倒なことをやる代わりに、オークションで売って得たお金の何割かをよこせ“という内容だった。

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そこで、あやさんはどこかの会社に頼むのではなく、自分たちでやってみようと提案してくれた。 しかも、友人だからと無償で協力してくれるという。
オークションへの参加を決意した敦子さんは、あやさんや彼女の知人たちの協力により、その後無事 出品手続きを完了。 あとは落札を待つばかりとなった。 その結果、なんと、海外のコレクターによって4億7千万円の超高額で落札されたのだ!

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そして、敦子さんは、オークションの売り上げおよそ4億7千万円から諸経費などを引いて手元に残った全額を寄付したのだ。
「もう子供たちもお金はかかりませんし、それぞれ私たち夫婦も仕事を持って充実した毎日を過ごしていますので、世界で困っている子どもたちのために使えたら良いなってふうに考えました。」
敦子さんの寄付によって恵まれない地域に、学校の建設や修繕をするプロジェクトが発足。 それにより、地元住民へ建築に関わる仕事を与える事もでき、大人も含めた地域全ての人に希望を与えている。

今年のゴールデンウィーク、世界中に広がるかぼすちゃんのファンたちが、大型バスで会いにきた。 今もその人気は、止まる事を知らない。
現在かぼすちゃんは17歳、人間で言うと90歳近いおばあちゃん。 高齢のため、何度も体調を崩しもうダメだと言われたが、その度に奇跡的な回復を見せ復活してきたという。
「かぼちゃんから教えてもらったことは『未来は分からない』『自分の未来なんてこの程度かな』とか、『将来はこんな不安がある』なんて考える必要ない。きっと未来はすごく楽しくて輝いているっていうふうに思うと、きっとそっちの方向に行けるんじゃないかなっていう風に思います。」