4月7日 オンエア
思いもよらない恩返し! 愛犬との絆の物語
 
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これは、およそ1年半前に撮影された一枚の写真。 イギリスに住むカレンさんが愛犬と写っている。
遡る事、およそ4年半。 3人の息子たちが成人を迎え独立。 彼女は夫と離婚していたため、4匹の犬たちと共に暮らしていた。

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その日カレンさんは、勤め先である動物保護施設で働いていたのだが…その日、重傷を負った犬が運ばれてきた。 保護した男性によれば、犬は男に鉄の棒で殴られていたのだという。 殴っていた男は逃走してしまったという。

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すぐに提携先の病院へ連れて行ったのだが…右の前脚は損傷が激しく切断するしかなかった。 そして、犬は里親を探すため、カレンさんの勤める施設に戻ってきた。 だが、人間を警戒し、近寄ってこなかった。

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こんな状態では里親を探すことは困難。 長い間里親が見つからなければ、健康状態も悪くなるかもしれない…そうなれば、定期的に訪れる獣医の判断により、安楽死させられる可能性があった。 そこで、カレンさんはこの犬を引き取ることにした。
犬はルーイと名付けられた。 だが、深く心を閉ざし、他の犬たちとも仲良くしようとしなかった。

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だが、数ヶ月後…突然、他の犬と遊び始めたのだ。 そして、カレンさんにも心を開いてくれた。
カレンさんが諦めず、辛抱強く接した結果、ルーイは明るさを取り戻したのだ。 さらに、脚が一本少ないにもかかわらず、他の犬よりも早く走り、リードを持つのが大変なほど元気になった。 いつしかルーイはかけがえのない家族となり、共に幸せな生活を送るようになった。

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ルーイが家に来てから、およそ4年半。
突然カレンさんに対し、奇妙な行動をとるようになった。
なぜかカレンさんの左胸をしきりに気にする様になったのだ。

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数週間後、自宅に友人を招いていたカレンさん。 その時もルーイは、カレンさんの左胸を気にしていた。
それを見た友人に「犬って 人間にはわからない色々な事を感じ取るって聞くわよ? 病気とか。」と言われ、すぐに病院で検査を受けてみると…なんとルーイが気にしていた左胸にガンが発見されたのだ!
専門家によると、ガン特有の匂いを嗅ぎ分ける事が出来る犬がおり、ルーイもその能力を持っていたのではないかという。

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新型コロナウイルスによるロックダウンで、入院する事が出来なかったため、数十キロ離れた病院へ、通院での闘病生活が始まった。
カレンさんのお気に入りだった長い髪は、抗ガン剤治療によって無くなってしまった。 病院への車での送り迎えは、離れて暮らす長男が行ってくれたが、コロナ禍だったため、長く一緒にいる事も出来ず、多くの時間は一人だった。

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闘病中、死への恐怖と孤独に苛まれる中、ルーイたちが側にいてくれた。 化学療法の副作用で体が弱り、立ち上がる気力すらおきない毎日。 気持ちが折れそうな彼女を勇気づけるように優しく寄り添い続けてくれた。
彼らのおかげでかろうじて希望を捨てる事なく、未来を信じて病と向き合う事ができたカレンさん。 そして、乳がん発覚から8ヶ月、無事治療を終える事が出来た。

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カレンさんはこう話してくれた。
「ここにいるルーイが 私の命を救ってくれました。私がルーイを救い、お返しに私を救ってくれたのです。ルーイは病気になる前もずっとそばにいてくれました。楽しい時も 苦しい時も共に過ごし、いつも私を支えてくれたのです。もしこれから先、大変なことが起きても、ルーイが私の側についていてくれるでしょう。」
「実は、私の母はちょうど今の私と同い歳ぐらいの時、乳がんのため亡くなっています。ルーイがいなければ、母と同じ運命を辿っていたかもしれません。ルーイは私のヒーローです。これからも私たちは一緒です。彼と出会えて、私は本当に幸せです。」