11月4日 オンエア
コロナ禍のクリスマス 双子の姉妹に訪れた謎のサプライズ
 
photo

アメリカ・カンザス州に住む双子の姉妹、ルナとジャネラ。
2人は新型コロナウィルスの蔓延により、友達にも会えず、昨年1年間、自宅で過ごしていた。 母のレティシアは、娘たちが退屈することのないよう、さまざまな遊びを工夫していた。

photo

そして、クリスマスが間近に迫った昨年12月、サンタクロースに手紙を書くことに。
2人は毎年、サンタ宛の手紙を受け付けている地元の郵便局に、欲しいモノをいくつか書いた手紙を出しに行っていた。

photo photo

欲しいものは、ボールやイヤリング、そしてワンちゃんだった。
実は一家はこの春、ペットのチワワを病気で亡くしていた。 姉妹の両親は、新しく犬を迎えようと考えていたのだが、アメリカではペットショップでの生体販売を禁止している州がほとんど。 さらに、コロナ禍のステイホームで、ペットを新たに飼う人が増え、保護施設から犬を引き取ることもできずにいた。

photo

12月、郵便局はかなり混雑する。 コロナウイルスへの感染リスクを考えると外出することは避けたかった。 レティシアは、手紙をどうやって送ろうか悩んでいた。

そして迎えたクリスマス。
2人には例年、手紙に書いた欲しい物の中からひとつ、プレゼントが送られる。 この年、姉妹はイヤリングをもらった。

photo

しかしそんな2人に今年1月、全く見ず知らずの人物から荷物が届いた。 中には、姉妹がクリスマスに欲しいと願っていた、プレゼントがぎっしり!
話したことはおろか、名前すら知らない人物から、突如 届けられたプレゼント。 一体、どういうことなのか?

photo

実は、レティシアは、海の向こうにいるサンタに届くようにと、手紙を風船につけ、空へ放つことにしたのだ。
そしてクリスマスの2日前のこと。 風船とルナが書いた手紙を拾ったのが、ルイジアナ州に住むアルビン・バンブルグだった。
双子が飛ばした2つの風船のうちの1つが、カンザス州リベラルから南に約800キロも離れたルイジアナ州シュリーブポートまで飛んだのである。

photo

アルビンにも双子の姉妹と歳が近い孫がおり、人ごととは思えず、サンタの手伝いをする決心をした。
とはいえ、ルナというファーストネームと、街の名前しかわからない。 遠い場所に住む、見知らぬ少女を探す方法が思いつかないまま…ただ、時間だけが過ぎていった。

photo

それでも妻に教えてもらいながら、風船と手紙の写真をSNSに投稿し、なんとか女の子の情報をつかめないかと呼びかけた。
「ルイジアナの林でこれを見つけました。この風船は、とても長い旅して来たんだと思います。気軽に シェアしてください」
この投稿はまたたく間にシェアされ、翌日にはレティシアさんの知るところとなった。

レティシアさんは、こう話してくれた。
「最初は名乗り出ることには少しためらいました。まるでプレゼントをくださいと言っているようなものじゃないかと思って。でも、親戚たちにも、ご厚意に甘えるべきだと言われて、電話でアルビンさんとお話ししたんです。」
こうしてアルビンは、手紙にあったプレゼントをできる限り用意し、姉妹に送ったのだ。
クリスマスを過ぎていたとはいえ、子供たちは大喜びだった。

photo

アルビンからのプレゼントが届いた3ヶ月後…子犬をプレゼントをするために、アルビンが直接 家を訪ねてきた。
一度目のプレゼントを贈った後…手紙にあった子犬だけは、レティシアと同様見つけられず、それが心残りだったのだ。 しかし、その3ヶ月後、獣医師である娘が、偶然ダックスフントの子犬をもらい受けることができた。 子犬はもちろん郵送できないため、800km離れた双子の自宅まで、直接 渡しに行くことにしたのだ!
それは2人の姉妹にとって、とびっきりのクリスマスプレゼントだった!

アルビンさんはこう話してくれた。
「アルビンさんと呼んでくれて、笑ってくれて、それがすべてです。この一年、世界の状態は良くありませんでした。ですが、一人でも笑顔にすることができたなら、それはその人だけでなく自分にとっての幸せにもなるのです。」

アルビンさんが子犬をプレゼントした日から半年あまり、母・レティシアさんは、その時を振り返ってこう言っている。
「この地球には素敵な人たちがたくさんいます。自分の時間を費やして、他の誰かを幸せにしようとしてくれるなんて、本当に心が温まる出来事でした。私たち家族だけでなく、このコロナ禍に多くの人を笑顔にしてくれました。アルビンさんと奥様は、私たちにとって、もはや家族です。」

子犬と遊ぶのが何よりも好きという2人。 子犬は姉妹にとって、かけがえのない存在になっている。 今年も間もなく訪れるクリスマスを楽しみにしているという。

一方、昨年 サンタの助手として双子の願いを叶えたアルビンさんはこう語る。
「2人とはいまも頻繁に電話やメールでやりとりしています。彼女たちはもう一つの家族のような存在です。私にとって、この友情は何ものにも代え難いクリスマスプレゼントです。」