インタビュー INTERVIEW

香澄今日子役 戸田恵子さん

2023.11.14

INTERVIEW 03

香澄今日子役  戸田恵子さん

最初に本作の台本を読まれて、特に興味をひかれた点からお伺いしたいのですが……。

ムロツヨシさん演じるパラリーガルの蔵前さんと、平手友梨奈さん演じる手のかかる弁護士の天野さんの丁々発止のやり取りが、ジェネレーションギャップも相まってとても面白いなと思いました。蔵前さんは、元々、法律の世界に精通しているわけじゃない、芸能界の敏腕マネージャーだったわけで、私が演じている香澄今日子がその才能を買って天野先生とバディを組ませたんですけど、一見、全く合わなそうなふたりが次第に力を合わせてさまざまな法律問題に取り組んでいくというのが一番の見どころですよね。

香澄今日子という役柄をどのように演じようと思いましたか?  演出サイドからリクエスト等はあったのでしょうか?

特に演出サイドからの大きな要望はなかったと思います。弁護士事務所の長として仕切りということと、全体的なイメージとしては明るい感じで……まあ、手がかかる娘はいますけど、母心というか、厳しい口調ではあるけども実はちゃんと見守っているわけで。その辺りの経緯は、もしかしたらこれから描かれていくのかもしれないですけど。江口のりこさん演じる天野先生のお姉さんのさくら先生のこともよく知っているし、天野姉妹のお家のことも知っているわけですから。誰かから預かったのか、手がかかるけど敢えて預かっているのか。あとはやっぱり、天野先生に何かを見いだしているんだと思うんです。才能というか、「良いサポート役が見つかればもっと上にいけるはず」という思いはあったと思います。

今日子先生は見た目から強い女性のイメージもあります。その辺のバックボーンは設定されているんでしょうか?

私は何も聞かされていないんですけど、話の中ではやり手の弁護士、ということで、高価な時計を身につけていたりはしますね。個人的には衣装も含めて優雅なイメージだなと感じています。

香澄法律事務所も素敵な内装ですね。

私も初めてセットに入ったときにそう思いました。レトロな感じもありつつ、ゴージャスな雰囲気もあって。作りも“セット感”を感じなかったので、「こんな素敵な事務所なんだ」と思ったんです。普段はみんなフリースペースで仕事をしていて、あとは個々に弁護士先生の部屋があって、という感じですね。弁護士業界のことはわからないんですけど、あれはどのくらいのレベルの事務所なんでしょうね?  かなりリッチなんじゃないかな?  きっと上手くいってる事務所なんでしょう。ただひとり、手がかかる娘さんがいるだけで(笑)。

今回、今日子先生を演じるにあたって、事前に何か準備されたことは?

何もないです(笑)。弁護士役は初めてではないですから、ある程度の認識はあると思います。ただ、事務所の所長というのはないかな。刑事役でそこの室長みたいな役を演じたことはありますけど、最近は上のクラスを演じることが多くなったので(笑)。あと、こういう群像劇というか、いろいろな弁護士さんがいるような作品の場合、あまり考えても……。力を持った役者さんが集まっているので、みんなで現場を楽しむというか、そういう姿勢の方が良いんじゃないかと思っています。今回は天野先生とやり合うシーンも多いですし、蔵前さんと話をするシーンでは大人同士の会話シーンもあったりして、コミカルな部分からシリアスなシーンまで、いろいろな要素が詰まっているのも演じる上では楽しいですね。

ムロツヨシさん、平手友梨奈さんの印象は?

ムロさんに限らず、うちの弁護士メンバーとは初めてなんですけど、全然そんな感じがしないんです。「ずっとこの弁護士事務所にいたんじゃないか?」と思うくらい、最初からとてもスムーズな現場でした。ムロさんとのお芝居は安心感があります。どんな風に演じてもちゃんと返してくれますし。平手さんも今回が初めてですけど、台本を読んだだけで想像していたものとはもっと違う感じというか、「あ、なるほどね!」と思わせてくれるような、想像を超えるお芝居をされる方なので、そのギャップを楽しんいます。あと、ムロさんと私は、なるべく“昭和な感じ”を敢えていっぱい出して行こうと思っていますので、そういうジェネレーションギャップ的な部分をこれからも楽しんでいただけたら嬉しいですね(笑)。

バックナンバー BACKNUMBER