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第51回(2002.06.08
まえのひと >>

稲葉卓也

現在、野村さんのもとで、お手伝いをさせて頂いている稲葉卓也といいます。

僕は野村さんのイトコで、ちょうどソーセージとハムくらいの歳の差があります。僕が小学校の3年生の時、野村さんはハムくらいの大学生でした。
ある日、野村さんが自主製作で作ったアニメーションのビデオを送ってきてくれました。幽霊のような文字の書かれた小包を開けると、ビデオと一緒に背景やセル、16 mmフィルムの断片などが入っていました。
自分宛に小包が届く事も初めてで大変喜んだのですが、それよりも見た事ない不思議 なアニメーションにすっかりはまり込んでしまい、何度も何度も繰り返し見ました。同封の手紙には(これもまた幽霊の字で)「フィルムを虫眼鏡でのぞいてみ。」と書かれていました。フィルムをのぞくと、小さな絵が1コマ1コマあって、それが少しずつ形をかえて連続している事がわかりました。背景の上に電車のセルを重ねて、その上に駅のホームのセルを重ね、さらに人物の切り絵を置くとビデオで見た一場面が出来上がりました。それは、今までにない新鮮な驚きと楽しみでした。そして字がへたくそでも大人になれる事を知ったのもその時でした。メヘヘ。

そうして多大な影響を受けて育った僕がハムくらいの大学生になった時、野村さんは立派なチャーシューくらいのアニメーション作家になられて、不思議な羊のキャラクターの仕事をされていました。それは、紙芝居形式のストレイシープのテレビシリーズでした。アルバイトをさせていただくことになった僕は、間近に野村さんの仕事を見て驚きました。圧倒的な仕事量、妥協しない姿勢(猫背)、作品に対する真剣さ、思いやりどれをとっても超人的です。オバケです。メヘへ。
そんなプロの厳しい現場を見せていただき、その大変さを身を持って知りました。またその一方で、とても魅力的な仕事だと感じたのでした。

今こうしてアニメーションにたずさわる仕事をさせていただいているわけですが、まだまだ野村さんから学ぶことは多いです。野村さんの周りのあたたかい人達やハンバーグのような野村さんの人柄から人間的に学ぶ事もたくさんあります。僕はといえば、まだまだつくねに毛が生えたくらいです(気持ち悪い)。野村さんや周りの人達に感謝しながら、精進していきたいと思います。

旅先にて。メヘへ。


次回は、ポーの仲間!?、フジテレビキャラクターの「めざましテレビ」・「きょうのわんこ」(化粧惑星買いました?)を担当されているフジテレビ権利開発部の大平司さんです。お楽しみに。

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