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第50回(2002.05.22
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野村昌弘

はじめましてストレイシープファンの皆さま!
(株)タイトーCTE事業部の野村です。
クレーンゲーム用景品(プライズ)の企画とか開発とか生産とか(?)を担当していて、最近は主に中国で生息しております。
仕事ぶりはいたって真面目なつもりですが、なぜかいつも予定が狂い、野村先生や松本さん、関係者の方々にはいつも無理なお願いをしてばかりでございます。

さて、塚本(前回、羊関参照)の話もありましたので、今回は僕の仕事周りのおはなし。

初めに、なぜ僕が中国におりますかというと、これはちょっとCMになってしまいますが、せっかくの機会なのでさせていただきましょう。
弊社製品のほとんどは、製品の発想、企画から生産、検査、販売、出荷までのおよそプライズ製作に関わる部分全てを、自社スタッフの目を通して出来るようになっています。
一般のプライズ製作に比べて、手間も時間も余分にかかりますが、この方法だと企画発案時のコンセプトやライセンサー様よりお預かりしているキャラクターのテイストを出来る限り損なう事なく、よりベターな形でファンの皆様にお届けする事が可能であるからです。
ちょっと偉そうに聞こえますね。
実際は、こだわっているうちに自然とそうなったというのが近いかな?

そんなわけでふつつかながら、量産期間(1アイテム2週間かかります。)には中国の量産工場に入り、一つ一つといえばいい加減嘘つきになってしまいますが、出来上がってくる製品のテイストに誤りがないかを確認したり、新製品のサンプル試作をしたりしております。
生産時期がきれいに全部揃うと2週間づつくらいで日本と中国を行き来できるのですが、これがなかなか上手く帰れなくなっている今日この頃。
なぜか?
それは現地妻がいるから。
・・・・もちろん嘘です。
ホントの理由の大半は、発注時期がうまく揃わないだけです。
その他に、量産で大量に不良が発生するというのもありますが、これが起きたときは最悪です。
なぜなら文句を言うと中国の人達は逃げていなくなるから。
・・・・これももちろん嘘です。
最近は(?)そんな国じゃないみたいです。
でも「没問題」(問題無い)と言って押し切ろうとはしますけどね・・。

今でも製品検査に行く人間のほとんどが、真っ先に覚える単語はこれだと思います。

でも実際、どこの国よりも日本のキャラクターはテイストが理解し難いみたいで、大半はとぼけたフリをしているだけですが、ホントに何がおかしいのか理解できないという場合があります。
「解らなくなるのは周りにコピー品が多いからでしょ?」と、思わず際どい冗談を言ってしまいたくなりますが、物騒な事になりかねないので決して言えません。
なので、キャラクターの「核」みたいなものを理解してもらう為に、量産が始まる前には良品サンプルや資料や雑誌を広げたりして勉強会をしたりします。

工員さん達の名誉の為にも言っておくと、基本的には僕よりもずっと仕事熱心で真面目です。
朝は8時から夜は10時、11時まで、土曜日出勤はあたりまえ、日曜日も働きます。社会の現状がそうさせる部分も多分でしょうが、本当に感心してしまいます。量産時期は自分の休みまで一緒に吹っ飛ばされてしまうのであまり愉快なシチュエーションとはいえませんが、その分感動があったりします。


今は丁度量産の時期から外れていて、写真をお見せできないのが残念ですが、例えばシープの量産だと、ファンのみなさんに届くポーやメリーがワラワラと群れをなして生産ラインを移動していく風景は、誰もが見られるものではありませんし、出荷前の何千、何万匹もポーやメリーが一度にならんでいるのを見ると、それはかわいいものです。(なぜかシープが出荷される時は、ドナドナがBGMとして頭の中で流れてしまいますが・・。)製品にこだわりが生きていたりするとなおさらです。

そういえば、弊社最新アイテム『ぶるぶるぬいぐるみ』は、いかがでしたでしょうか?
蛇に追われてぶるぶる震えるポーがなんともかわいい!と、自分では思っているのですが・・。(ポーが後ずさりして自分から蛇に近づいていく・・とは言わないでくださいね。)

これからもファンの皆さんの期待に添うべく、がんばってゆきますので、末永くお付き合いくださいませ。


次回は、作家 野村辰寿さんのアトリエ”ROBOT CAGE”に、最近、加わった若手アニメーション作家 稲葉卓也さんです。
「ポーのちっちゃな大冒険」では、特効チームでたくさんのポーたちを仕上げました。

最近では、ベネッセコーポレーションの「こどもチャレンジ ぽけっと」6月号のビデオに入っている「まいごのうさぎ と おえかきおばけ」というアニメーションを制作したばかり。
今後の展開が楽しみなひとりです。お楽しみに。

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