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第42回(1月1日)
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オンエア後記その6(最終回)

「ポーのちっちゃな大冒険」連続12回の放送も無事終了しました。観てくれた方、どうもありがとう。というわけで、オンエア後記も最終回です。

第11話「ゆきだるま」は、題名の通り、ポーがゆきだるまを作る話です。この話は、最終回前と、後半のオンエアでしたが、コンテは第2話「タマゴ」の次と、2番目にでき上がりました。「たまご」の割と子供を意識したものに対して、このくらいの、絵だけの世界も、シリーズの幅としてあるかなと思って考えたものです。しかし、モチーフが雪なので、オンエアは後半に設定しました。このネタは掲示板の書き込みにあったように、アニメ版「羊の降る夜」です。あの絵に前後の話をつけたものです。途中、ゆきだるまの目玉をポーが蹴って完成させるヴァイオレントなポーは、少し気に入ってます。




「羊の降る夜」


そして、最終話「メリーの夢」は、早い時期から題名は決めてました。シリーズの第1話が「ポーの夢」ではじまったので、ラストは「メリーの夢」で締めようと。ナレーションもメインを遊佐ミモリンで行こうと。そう言った外壁は決まっていたのですが、肝心の中身をひねり出すのに、いささか苦労しました。最終回にふさわしく、「女の子らしいカワイイ夢ってどんなかな?」と、いろいろ考えたのですが、御覧いただいたようなものになりました。節目の話では必ず登場のオオカミも出演しましたが、今回はメリーの描いたオオカミなので、いいオオカミです。ネタはかなり初期に描いた「雲」という絵を発展させたものともいえます。途中の雨宿りのシーンも「雨やどり」という絵をモチーフにしています。あと第6話「花とクマバチ」で、ポーはメリーに持っていってあげるはずの花を忘れたので、今回はそのリベンジでもあります。たまにはカッコイイ(?)ところもなきゃね。遊佐さんの「おい、メリー……」というオオカミのドス(?)の効いたセリフもいい感じでいただきました。そんないろいろが混ざってできた話です。




「雲」




「雨やどり」


てな具合に今回のシリーズも放送終了ですが、楽しんでいただけましたか?

全体的な自分の反省点としては、2分半(オープニングを除くと2分強)という時間に展開を詰め込んだものは少し慌ただしかったかなと思います。2分って短いですね。
また、なにかの機会にもう少し長いものができるといいな……などと勝手に思っています。御覧になっていた皆さんもぜひ、感想、批判、意見、好きな話、嫌いな話などどんどん聞かせてください。

最後に、次回の「羊関」に登場する加藤久仁生くんについて、少し書きます。
クニオくんはこの春、多摩美術大学をでたばかりのアニメーション作家で、今自分の仕事の手伝いなどをしてもらっています。今回のシリーズでは、作画補として、いろんな絵の直し、一部のキャラクターのデザイン、最終話では作画監督として原画など(詳しくは「はげつう 第35回」を参照)を担当してもらいました。知人の紹介で、はじめてROBOT CAGE(自分の仕事場)に来て、作品を観せてもらったのですが、その、絵世界のセンスとクオリティ、画力と動画力に驚愕いたしました。某公共放送局の「デジスタ」なる番組で「ROBOTTING」「The Apple Incident」などの作品を観たことがある人もいるかもしれませんが、その人物です。人格的には、普段は極めて大人しく、シャイなのですが、ひとたび酒を飲むと人格が豹変し、饒舌になり、暴れまわるというオオカミ青年です(オオカミ男をモチーフにした作品もあります)。ボクは年老いた羊で、クニオくんは、若い狼なのでボクが食べられるのは時間の問題です (笑)。
そんなクニオくんは今、とあるWEB上で公開する短編のアニメを企画・制作中です。
具体的な公開日時・場所が決まったらお知らせするので、ぜひこちらも観てみてください。




「The Apple Incident」より


2001年もいよいよ終わり、羊年までほぼ1年となりましたが
皆様、よい新年をお迎えください。
そして、馬年も、羊のポーをよろしくお願いします。

のむらたつとし


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