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2018.11.19更新

日本人史上ふたり目のNBAプレーヤー渡邊雄太「NBA選手として東京五輪に出る」

11月18日『S-PARK』

11月18日放送の『S-PARK』は、日本人史上ふたり目のNBAプレーヤーとなった渡邊雄太選手に密着。夢の舞台に立った直後に意外な言葉を口にした、その真意に迫りました。

最大の武器は「Versatile=万能性」

NBA、それはバスケットボールの最高峰。平均身長2メートルを超す男たちが暴れ回るコートは、これまで日本人にとって不向きな舞台とされてきました。そんな場所で先月、渡邊雄太選手は大きな一歩を踏み出しました。サンズ戦で途中出場を果たし、田臥勇太選手以来、ふたり目のNBAプレーヤーとなったのです。日本中が湧き上がった快挙について聞こうと、アメリカを訪ねると、彼の口から語られた言葉は、意外なものでした。「いっさい満足してないですし、試合後は正直悔しいという気持ちもありました」。

大学4年時、最優秀ディフェンス賞に輝いた渡邊選手

その才能に注目が集まったのは7年前。高校2年生で初めて日本代表入りし、逸材と呼ばれた少年は、卒業後のステージとして、バスケットの本場・アメリカを選択。ジョージ・ワシントン大学へ入学すると、4年生では得点、リバウンド、ブロックでチームトップの成績を残すエースに成長。所属リーグ(A10カンファレンス)の最優秀ディフェンダーに輝きました。

その活躍に目をとめたのがNBAのメンフィス・グリズリーズ。ブルースやロックンロール発祥の地として有名なメンフィス。この街を本拠地とする唯一のプロスポーツチームであるグリズリーズは、常に話題の中心です。グリズリーズファンは「彼は選ばれし日本人だろ。メンフィスに来てくれて本当にうれしいよ。毎試合プレーが見たいよ」と期待を寄せます。

渡邊選手がグリズリーズと交わした「2way契約」は、NBA下部のGリーグチームに所属、最大45日間NBAチームに招集可能というもの。そして入団から1ヵ月、ついにそのときはやってきました。「前日にスケジュール送られてきたときに、『明日ユニフォームを着るよ』と書かれていたので。(試合中に)名前をコーチに呼ばれたときは緊張しましたけど、1回コートに入れば、今までの自分に戻っていた」という渡邊選手。出場時間は、4分31秒。それでも得点2、リバウンド2をマークしました。

田臥勇太選手

新たな歴史の1ページに、レジェンド田臥勇太選手は「どれだけNBA選手になることが難しいかっていうのは、僕が一番わかってましたので、それをクリアしてNBA選手になってくれたのは本当にうれしく思いました」と感慨深げ。また、渡邊選手の父・英幸さんも「まさか自分の息子がこうなるとは。田臥選手がNBAに行ったときは、全く思ってなかったですね」と語ります。

しかし、快挙に盛り上がる日本とは一転、渡邊選手の心の内は「両親にも伝えたことなんですけど、自分の中で満足するっていうものが全くなくて。僕が試合出たのも20点差がついていての残り4分間だった。もう完全に試合が決まった時間帯で出されたので…」と、悔しさを隠しません。そしてその悔しさが焦りにもつながることに。NBAでベンチ入りを許されるのは、たった13人。そこに割り込むには、下部のGリーグでのアピールが不可欠。ところが、その後Gリーグの2試合で、得点はあわせてわずかに11点。グリズリーズから2回目の招集は、なかなかかかりませんでした。

「正直、自分の中で少し考え過ぎていて。『ここ(Gリーグ)で活躍しないと、この先につながっていかない』と、それをプレッシャーにし過ぎている部分がある」と語る渡邊選手。得点を意識するあまり、見失った本来のプレースタイル。彼がチームから期待され、求められているもの――グリズリーズのエースセンターで、長年NBAで活躍するマルク・ガソル選手は「彼のデイフェンス、そして万能性は素晴らしい。特にあの身長とサイズがありながら、コートでいろんなことができる」、グリズリーズのビッカースタッフヘッドコーチも「彼の強みは万能性だ。スリーポイントにミドルシュート、自分で持ち込むこともできる」と言葉を揃えます。

ふたりが同じ単語で表現した渡邊選手の持ち味。それは「Versatile=万能性」。もちろん本人もその点については「得点、リバウンド、ディフェンスでも、すべての部分でチームのために貢献できるようなプレーをしていかなければいけないと思っている。試合になったらあまり考えず、自分にできることをしっかりやればいい」と、理解しています。

迎えたGリーグ第3戦、渡邊選手は本来のスタイルを取り戻します。チームトップタイとなる25点、8リバウンド、1ブロック、2スティールをマークし、攻守で相手を圧倒。すると今月14日、NBAのコート(対バックス戦)には再び渡邊選手の姿が。デビュー戦を上回る7分間の出場で、初ブロックをマークするなど、ディフェンス面でアピール。ここまで4回、NBAのベンチ入りを果たし(うち出場2回)、着実にステップアップしています。

「もっと重要な場面で出してもらえる選手にならないと。2020年に、NBA選手として日本に帰って来て、東京オリンピックに出られたら」と語る渡邊選手。大谷翔平選手、羽生結弦選手など多くのタレントがひしめく1994年生まれ。彼もまた、そのひとりとして大輪の花を咲かせようとしています。

番組情報

『S-PARK』
<放送>
毎週土曜 24時35分~25時15分
毎週日曜 23時15分~24時30分
<キャスター>
宮司愛海(フジテレビアナウンサー)
中村光宏(フジテレビアナウンサー)
鈴木唯(フジテレビアナウンサー)
黒瀬翔生(フジテレビアナウンサー)

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。