Muscat~フジテレビの番組情報

2018.11.12更新

コーチの変更、世界女王との合宿…池江璃花子の知られざる苦悩と新たな挑戦

11月11日『S-PARK』

11月11日放送の『S-PARK』は、競泳の池江璃花子選手に密着。泳げば日本新記録と、驚異の成長曲線を見せる池江選手の知られざる苦悩と新たな挑戦に迫りました。

東京で勝つために~躍進を支えた決断

三木コーチと池江選手

今年8月のパンパシフィック水泳大会で、主要な国際大会で初めてのメダル(100mバタフライ金メダル)を獲得すると、続くアジア大会では6冠を達成し、女子選手初となるMVPを受賞した池江選手。実は、そんな躍進の裏には“コーチの変更”という池江選手の大きな決断がありました。さかのぼること半年前、池江選手がコーチを依頼したのは、2年間のコーチ留学を経て日本に帰ってきた元オリンピアンの三木二郎さん(シドニー、アテネ五輪出場)でした。

三木コーチに師事後、初の出場となった5月のジャパンオープン。池江選手は、50mバタフライで25秒25の日本新記録をマークし「コーチが新しくなって一発目の大会で日本新記録を出せたことはホッとしています」と語ります。三木コーチは、池江選手の自主性を尊重し、練習内容を相談しながら決めることがあります。ある日の練習では、流水速度を自由に変えられる機能を持つ最新の流水プールを前にして、
「(設定タイム)30秒でいいですよ」(池江)
「世界の池江、29秒で行け」(三木)
「いや、30秒で。それで実は29秒(に設定)とかやめてください」(池江)
「やれへんわ」(三木)
と、笑顔が飛び出します。自分で決めることで池江選手は納得して練習に臨み、タイムを伸ばしていったのです。

三木コーチとの出会いをきっかけに、池江選手は驚くべき成長を見せました。最も得意とする100mバタフライのタイムを見てみると、
4月 日本選手権      56秒38
6月 ヨーロッパグランプリ 56秒23
8月 パンパシフィック水泳 56秒08
と、わずか4ヵ月で自己ベストを0.3秒も更新。そんな池江選手に、三木コーチは、「武者修行のため海を渡る」という提案をします。

サラ・ショーストロム選手

10月、トルコにある世界有数のプール施設・グロリア スポーツアリーナで合宿を行っていたのは、サラ・ショーストロム選手(リオ五輪100mバタフライ金)。池江選手の得意種目で4つの世界記録を持つ絶対女王です。三木コーチの人脈を活かして、池江選手が最も尊敬するオリンピック金メダリストと練習するチャンスが巡ってきたのです。「水泳人生に1回あるかないか、すごい奇跡だと思っている」と、池江選手は喜びを隠せません。

悔し涙を見せる池江選手

世界女王に対して「自分はどこまで通用するのか」。不安と期待をにじませ臨んだ合同合宿。今まで同じレースで戦ったことはあっても、言葉を交わしたことはなく、サラ選手と同じメニューを実践し、隣で泳いでみると「世界で一番の人のスピードを間近で、肌で感じて…」と、日本では負けなしの池江選手が、何本泳いでも勝てません。(特に)自由形では、世界トップとの差をこれ以上ないというほど痛感します。練習後には思わず涙がこぼれます。

三木コーチは「自分の小ささ、足りないものが多すぎるということを実感していると思う」と語りますが、実はこれこそが三木コーチの求めていたこと。この合宿を機に「私が日本で一番で泳いでいても、世界でいったら低レベル」と、池江選手の闘争心に火がつきます。「絶対ここに追いつかなきゃいけないというふうに改めて感じました。これからの水泳人生で一番に近いような、重要な意味を持った遠征になったと思います」。

そんな池江選手の強い思いを、サラ選手も感じ取っていました。「レースでの彼女はとても強い選手。そして練習でも強気な選手だとわかりました。まだ若く実力を証明するのはこれからですが、来年彼女はすごいレースをすると思う」と語ります。事実、サラ選手と池江選手の差は確実に縮まってきています。池江選手は、世界女王との練習により「闘争心」という大きなお土産を得ました。

そして、11月11日に行われた競泳ワールドカップ東京大会の100mバタフライ決勝で池江選手とサラ選手の直接対決が早くも実現。
自身が最も得意とする種目で、序盤から池江選手は世界女王に必死に食らいつきます。レース折り返しのターンは互角、しかしここから池江選手が前に。迎えたラスト25m…今大会3度目の対決で、池江選手は、ついにサラ選手から初勝利をもぎ取ったのです。しかも、短水路日本新記録の55秒31。「ずっと横を見ながら泳いではいたんですけど、とにかく自分の中ではテンポだけを落とさないようにという気持ちで泳いでいたので、自分なりに精一杯できた良いレースだったと思います」「前半から積極的に行くこともできましたし、変に気負わずというか、変な緊張感もなく、すごい良い状態でレースに臨めたと思う。気持ち的にも絶対日本新記録を出したいと思っていたので、有言実行できてすごくうれしいです」と語り、東京オリンピックでのメダル獲得に向けて、また新たな一歩を踏み出しました。

番組情報

『S-PARK』
<放送>
毎週土曜 24時35分~25時15分
毎週日曜 23時15分~24時30分
<キャスター>
宮司愛海(フジテレビアナウンサー)
中村光宏(フジテレビアナウンサー)
鈴木唯(フジテレビアナウンサー)
黒瀬翔生(フジテレビアナウンサー)

掲載情報は発行時のものです。放送日時や出演者等変更になる場合がありますので当日の番組表でご確認ください。