Muscat~フジテレビの番組情報

2018.02.11更新

5度の五輪出場で金&銅メダルを獲得した里谷多英が語る冬季オリンピック!

2月9日開幕『平昌オリンピック』

金メダリスト里谷多英インタビュー

日本勢のメダルラッシュに期待がかかる『平昌オリンピック』が、ついに開幕しました! Muscatでは、フリースタイル・スキーモーグルで冬季五輪5大会連続出場を果たし、長野大会で金メダル、ソルトレイクシティ大会で銅メダルを獲得している里谷多英さん(現在は、フジテレビに勤務)にインタビュー。経験したからこそ分かる、冬季五輪の醍醐味、現地の雰囲気、調整の難しさなど、メダリスト、オリンピアンならではの話をうかがいました。

「応援を力に変えて、ベストパフォーマンスを」

里谷多英さんは、フリースタイル・スキーモーグルの選手として活躍。冬季オリンピックには、94年リレハンメル五輪(11位)、98年長野オリンピック(金メダル)、02年ソルトレイクシティオリンピック(銅メダル)、06年トリノオリンピック(15位)、10年バンクーバーオリンピック(19位)と、5大会連続で出場しています。

選手時代の里谷さん

<里谷多英さんインタビュー>

Q.里谷さんにとって5度も出場した冬季五輪とは、どのようなものでしたか?

オリンピックの雰囲気は、開催国が違うように毎回違います。私の場合、最初にオリンピックに出たのは、リレハンメル大会で高校2年生のとき。自分の試合もありましたが、ただただ楽しくて「世界のお祭り」を見に来ているような気分でした。自分のゼッケンに荻原健司さんとか、原田雅彦さんとか、みなさんにサインしていただいて。そのときは、金メダルをとっている人たちを見て、「あと4年であのレベルにたどり着くのは難しい」と感じましたが、その後の長野五輪は「自分もメダルがほしい!」という気持ちが、はじめて芽生えた大会となりました。長野で金メダルをとることができて、次のソルトレイクシティでは、ずっと不調で波があった中、大会直前で調子が上がって結果が出た(銅メダルを獲得)。その後の2大会、トリノとバンクーバーは、頑張って、頑張って臨みました。どこかに「頑張れば、とれるかな」という気持ちがあったのが、一気に崩れてしまうという。どんなに集中してもダメなことがある、と学んだ大会となりました。バンクーバーのときは、代表チームから落ちたりすることもあって。だから私は、いいときと挫折を繰り返しながら選手生活を送っていました。毎回、状況や自分の状態も違いましたから、それぞれの大会、自分の滑りは、今でもちゃんと記憶に残っていますね。

Q.メダルを獲得した大会と、とれなかった大会で違いはありますか?

う~ん、やっぱりメダルをとれた大会は「楽しかった」で終われますね(笑)。いい大会だった、と総括できるけど、とれなかったときは、やっぱりアスリートなので「次を目指そう。頑張ろう」という気持ちになっていました。金メダルのときは、前年に亡くなった父がすごく期待してくれていたので、父がとらせてくれたという気持ちがありました。銅メダルのときは「ちょっと無理かな」と思っていたところを、自分で(調整し)合わせていくことができたメダルだったので、それはそれでとても嬉しかったです。やっぱり、それぞれに思い入れはありますね。 

Q.里谷さんがやられていたモーグルは、予選と決勝があり、その2本をそろえる難しさがあると思いますが、調整はどうされていましたか? 弱気になったり不安になることは?

それはありますよね。試合中もそうですし、何をしていても不安になることはあります。今も、選手のみなさんは、緊張したり、不安になったり揺れ動いたりしているのではないでしょうか。私も、毎回オリンピックの直前までは、ずっと緊張していて「ダメなんじゃないか」と考えてしまっていました。しかし、なぜかオリンピック本番では、周囲のことが気にならなくなるんです。コーチの教えもあって「自分のいいものを出そう」と、そこだけを考えることができた。他の大会では、いい滑りをしている人が気になって、少しあおられたりすると、試合前の練習で100%の力で滑ってしまい、試合では(パフォーマンスが)下がっちゃうこともありました。ですから、私の場合は余計なことは考えずに「その1本に集中する」ということを心がけていました。

Q.メダルを獲得するために必要な条件はなんだと思いますか?

やはり「自分のベストパフォーマンスを出す」ということが一番なのではないでしょうか。メダルとか、順位じゃないというか。順位は、あとからついてくるものですから。最終的にメダルにつながるのは、周りを見るのではなく、自分の一番を出せる環境をいかに作るか、だと思います。それまでの積み重ねや努力、周囲の支えといったことは、自然と自信や武器になってきますから。

Q.今回の五輪で注目している競技、選手を教えてください。

フリースタイルスキー・女子ハーフパイプの小野塚彩那選手、そして女子のスピードスケートです。小平奈緒選手、高木美帆選手、チームパシュートなど、メダル量産に期待しています。

Q.最後に選手のみなさんにエールをお願いします。

私は、選手だったとき、「頑張れ」という言葉が一番力になりました。普段から自分のことを応援してくださる方たちだけでなく、自分の知らない人や、ボランティアの方、みなさんが「頑張れ」と言ってくださる。それって、本当にすごいことだと思うんです。「ああ、こんなに応援してくれてるんだ」と、すごくポジティブになれる。不要なプレッシャーを感じることなく、応援を力に変えて、ベストパフォーマンスが出せるよう全力を尽くしてほしいと思っています。

番組情報

『平昌オリンピック』
<中継種目>
2/9(金)フィギュアスケート チームイベント男子SP、ペアSP
2/12(月)スノーボード 女子ハーフパイプ予選
2/15(木)カーリング 男子ラウンドロビン「日本×イギリス」
2/20(火)フリースタイルスキー 女子ハーフパイプ決勝
2/20(火)カーリング 男子ラウンドロビン「日本×デンマーク」
2/21(水)スノーボード 男子ビッグエア予選
2/21(水)フリースタイルスキー 男子スキークロス決勝
2/22(木)ショートトラック 男子500m決勝、女子1000m決勝、男子5000mリレー決勝
2/23(金)フィギュアスケート 女子ハイライト
2/24(土)スピードスケート 女子/男子マススタート準決勝、決勝

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