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お母さんの間野由美子さん
「急きょ、自衛隊の人が来て、先導して行くっていうことになったんですよね、もう、迎えに行こうか行くまいかってすごく悩んだんですけれども、近所の犬を一緒に置いてきたうちと、どこに連れて行かれるかも分からないし、みんな、もう泣く泣くっていう感じで…
近所の人の息子さんがきっと大丈夫だっていうことで、自分の犬とうちのコロと連れて来てくれたんです。それも人づてに聞いてきた話なんで、みんなでこの体育館の回りをグルグル探して、もう、本当に嬉しかったです、もう本当に諦めてたんです。
知人の所に、まぁ、体育館じゃあ大変だからっていうことで預けたんですけれども、仮設に入るっていうことが決まったら、急にいなくなったって電話が来て…」
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仮設住宅に入るまでのほんのわずかの間、知り合いの家に預けられていたコロはご主人が迎えに来るのを待ちきれなかったのか…
ある日、突然、姿を消し、戻って来たのは10日後のことでした。
その後、すぐにコロはご主人一家と一緒にこの仮設住宅に入居。
息子の龍さん「コロ、ご飯だよ、コロ、いっぱい食べろよ」
今はここが家族一緒の我が家です。
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ご主人一家はこれまでに数回、いまだ避難勧告が出ている自宅に雪下ろしをしに戻っていましたが、コロが帰るのは震災以来、これが初めてのことです。
お父さんは仕事に出かけているのでお母さんとおばあちゃん、そして高校2年の息子さんと一緒に車に揺られることおよそ15分。
立ち入り規制が設けられた短いトンネルを抜けると、そこは地震の爪痕がそのまま残る小千谷市東山地区。
コロの家がある地区です。
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息子の龍さん「コロ、もうすぐうちだぞ、コロ、分かる?」
お母さん「はい、着きました!」
東山地区は、いまだ住民以外の立ち入りが許可されていないので、わずかな一時帰宅の時間を使って自宅の雪かきをする様子をコロの家族が撮影してくれました。
龍さん「おまえのうちだぞ」
おばあちゃん「コロ、脚、寒くねぇか?」
「春にはみんなで家に帰りたいね」、というのがコロとご主人一家の明日への希望。
その希望を胸にご主人たちと一緒にくじけずに頑張っていこうと思うコロなのでした。
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