□最初に台本をお読みになって感じたことは?
■そうですね…。「八つ墓村」というと、懐中電灯を頭にくくりつけて、というシーンが有名ですけど、実は物語に関してはあまり知らなかったんです。何せ、怖い話というのが苦手なので…。基本的に、怖いものは見ないようにしているんですよね(笑)。まあでも、前回から横溝先生役をやらせてもらっていて、稲垣(吾郎)くんが演じている金田一耕助さんとの絡みのところは物語とはまた別の部分で、僕としては物語の中に入らずに済んでいるからよかったです(笑)。新しい部分ですよね。そこを楽しませていただいています。前回も、「いやあ、横溝先生役をやらせてもらえるなんて…」と非常に感動して、実際に横溝さんが疎開した場所に座って景色を眺めながら芝居させてもらったりして光栄だったんですけど、まさかまた半年後にこうしてやらせてもらえるなんて…。とても嬉しかったですね。
□横溝先生を演じる、ということに関してはいかがですか?
■星護監督が、非常に乗り気で取り組んでくださっているので、僕は監督の言われるままに…。唯一、苦労したのは…前回もそうだったんですけど…話を思いついて書き始めるところ。監督は、そこを僕の字でやりたい、っていうんですよね。いや、ありがたいんですけど、僕、字上手くないんですよ(笑)。「八つ墓村」って思いついてバッと書くところを、大胆に書いて欲しい、と。昔の太い万年筆で書くんですけど、何枚も何枚も書いて…。なかなかOK出ないんですよ(笑)。休憩中もずーっと練習してて、もう何十枚も書いたんじゃないかなぁ。「八つ墓村」「横溝正史」と(笑)。こんなことなら、もうちょっと習字とかちゃんとやっておけばよかったな、と思いましたね。
□確かに、いざ書こうと思っても、バランスが難しい字ですよね。
■そうなんですよ。いままでいい加減に書いてたから(笑)。「村」のバランスが悪い、とか言われちゃって(笑)。確かに、横と縦の棒を正確に引いていくと、結構キレイな字になるんですよね。それは監督のアドバイスのおかげです。そのまま引き絵になるんで、吹き替えじゃないこともわかりますし…。