□金田一の衣装は、夏バージョンなんですか?
■ええ。素材は薄手の夏物になっているんですけど、あまり変わらないですね。袴が暑いんですよ。それで、金田一ですから、マントを着るんです。マントを着て"涼しい顔を"と言われても…ね(笑)。なんで、金田一は夏なのにマントを着るんでしょうね? おかしいですよね? だけど、帽子とマント、トランクを持って現場に赴くというのは、金田一のスタイルですから。僕の中でも、金田一の映像イメージはこれですから、仕方ないですね。
□『八つ墓村』というストーリーについては?
■『八つ墓村』は『犬神家の一族』と並ぶ横溝正史さんの大作です。でも『犬神〜』とは、恐怖の感じ方、与え方が違うと思います。『八つ墓村』は"祟り系"ですよね?『犬神〜』は、霊とか祟りのようなスピリチュアル系の怖さより、トリッキーなサスペンス系の怖さでしたからね。ですから、恐怖の度合いとしては『八つ墓村』の方が、怖いんじゃないかな? と、思います。恐怖以外にも『犬神〜』同様、人間ドラマの部分もしっかりと描かれています。ラブストーリーがあったり…。そういった意味でも奥深い、スケールの大きい作品です。僕も映像化するなら是非、第2弾でやってみたいと思っていたので、光栄です。
□前回の『犬神家の一族』から『八つ墓村』になって、金田一の役をふくらませるという意識はありますか?
■『犬神〜』で、金田一のキャラクターはある程度固まったと思っています。でも、キャストや設定も変わりますから…。金田一というのは、事件が起こった舞台に"お邪魔"していくキャラクター。ですので、場所や絡む人たちによって、金田一も少し変化するとは思います。そういう面で、僕も今回の金田一がどう変わるかは楽しみなんです。金田一の基礎的な骨組みは僕も監督も、決まったものがあります。そこを変えていく…と、いうことはありませんけど、より"深く"していきたいとは思っています。ドラマ全体としては、キャストが違うことが大きいので全然違ったものになりますよ。