モナコの市街地コースでヒートする新旧王者対決!
文・尾張正博

一方、昨年アロンソにタイトルを奪われたM・シューマッハにとっては、このモナコ・マイスターの称号だけは譲りたくないはず。しかも、2002年から4年間、勝利の女神に見放されているブリヂストンにとっても、「モナコでの優勝」は本社から課せられた今シーズンの至上命令のひとつとなっていると聞く。タイトル争いという点から考えても、連敗だけはどうしても避けたい。
お互いに負けられない一戦。それが今回のモナコGPであり、冒頭で「モナコが天王山」と位置づけた理由もそこにある。

そして、その一戦で勝敗を分けるのは、路面変化とタイヤ選択となるだろう。前戦スペインGPでのフェラーリの失速は、日曜日の路面変化だった。そして、それは舞台となったカタロニア・サーキットの路面が昨年改修されて表面がツルツルになったためだった。モナコの路面はそれに輪をかけて滑らかである。したがって、路面にタイヤのゴムが付いたときの影響が18戦中もっとも大きなグランプリであり、この路面変化をどのように読み、それに合わせてどんなタイヤを選ぶかが最大のポイントとなるのである。

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