「果たして、新王者は誕生するのか!?」
文・李春成

決勝大会で優勝するには、1日で3度の闘いを制さなければならない。下手に時間を引き伸ばせば、負傷のリスクが増える。スタミナももたないだろう。トーナメントでの勝ち方に熟知するアーツは、だからこそ「KO勝利」にこだわるのだ。

93年に始まったGPも今年で15年目を迎え、急速な世代交代が進んでいる。中でも将来のエース候補として期待がかかるのが、ロシア南部・北オセチア共和国出身のルスラン・カラエフだ。現地の大学に通う経済学部の学生だったが、1年前に来日して日本のジムで練習を積んできた。ラスベガス予選をド派手な動きとスピードで突破し、GPへの挑戦権を初めて手にしたのだった。
ホーストのアクシデントで、1週間前に対戦相手が変更になったという不運が影響したのだろうか。「美しい試合」にこだわるカフカス地方(コーカサス)のイケメンは、22歳という若さにもかかわらずスタミナに苦しんだ。彼のスタイルを考えれば、3Rをフルに動くのは難しい。武蔵との2回戦では、そのあたりが勝負の分水嶺となりそうだ。

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