「"新旧交代"が大きなテーマの開幕戦! K-1 WORLD GP 2005」
文・李春成

情熱的な語り口の彼の顔が一瞬曇ったのは、次の質問が筆者から投げかけられたときだけだった。
「ロシア出身の選手といえば無表情で言葉少なという印象がありますが、そんなイメージがまったくありませんね」
彼は、早口で答えた。
「僕はロシア人じゃないよ。今はロシア語でしゃべってるけど、僕らの母国語・オセチア語もあるからね。ロシア人とオセチア人の間には、とても大きな差があるんだ。とくに南カフカス(=コーカサス)地方の民族は、ロシアの中でも非常に熱い性格をもった人間だって昔から言われてる。心が強いというか、どんな苦境に立たされても恐怖心が少ないんだ」
39歳のホーストとの年齢差を考えれば、ラウンドを重ねれば重ねるほどカラエフの有利は間違いない。しかしラスベガスでは、後ろ回し蹴りと左フックで相手を圧倒した。オセチア人の特徴、そして彼の若さから想像するに、オランダの"フォータイムス・チャンピオン"が早い回でマットに沈むというビッグサプライズもあり得る。
「たとえ負けたとしても、K-1を捨てる気はまったくないよ。だってまだチャンピオンにもなってないし、僕はK-1が大好きなんだ。それに若い僕には、多くの時間とチャンスが残されている。目標を達成するためにも、できるだけ長く日本で生活するつもりさ」

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