前サッカー日本代表監督 フィリップ・トルシエ(後編)
インタビュー・文/李春成

[Q]04年11月、あなたはヴィッセル神戸からのオファーを受けましたが、最終的に母国のマルセイユを選びました。今後、日本サッカー協会、あるいはヴィッセルのような日本のクラブから監督就任の打診があったとしたら、どんな対応をするつもりですか。

[A]日本で過ごした4年間のおかげで、今でもこの国には数多くの友だちが残っています。私は日本の文化も好きだし、とりわけ環境が好きなんですね。これまで多くの国で代表やクラブの監督を務めてきましたが、日本選手の長所は、コーチや指導者に対してリスペクトする気持ちをもっているということです。彼らにメッセージを投げかけると、きちんと耳を傾けてくれます。
「毎日が闘いだ」「最後までサバイバルしなければならない」など、まるでジャングルの中にでもいるような弱肉強食の雰囲気が日本にはないのです。「日本は環境が優しすぎる。甘すぎる」などという意見もありますが、どうやら私は、その甘さが好きなようです。
私はいつも厳しく、真面目に仕事をするタイプです。そんな私には、日本のような優しい環境のほうが合っているのかなという気がするんですよ。だから、もし日本代表からオファーがあれば、その誘惑に私は逆らいきることができないでしょうね。

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