Y:過去を振り返させるようで申し訳ないのですが、昨シーズンは怪我でシーズン半分を棒に振ってしまいました。教訓はありますか。
I:怪我から学んだものは大きかったですね。気持ちの面では本当に勉強させられました。いかに、普通の身体で野球できることが幸せなことか、改めて気づかされました。野球を楽しむ、という原点に帰れた気がします。ファームでリハビリをしている時に、同じように怪我で苦しんでいる選手の姿から感じ取れたことがたくさんありましたよ。辛いのは僕だけじゃないんだと励まされたり、特に投手の人たちは投げられなかったら終わりじゃないですか。そんな中でも僅かな希望を持って懸命に自分と闘っている。その時点その時点で、自分にできることを懸命にやる、というのが収穫だったかな。それと、エラーしても三振してもそれほど落ち込まなくなりました。これまで立てなかった場所にいること自体幸せなことだと思うし、グラウンドに立ちたくとも立てない選手がファームにはいっぱいいたし、3塁を守りバッターボックスに立っている自分は幸せものだと思えるようになりました。幸せを噛み締めながら、自分の持ち味を出せればいいと思うようになったんです。怪我をしなかったら、こんな考えはできなかったと思う。
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