Y:でも事実、長い間大相撲人気を牽引してきた貴乃花関が引退し、一時、ファン離れが起きましたけど、高見盛人気で盛り返してきたじゃないですか。
T:僕が相撲人気を取り戻したなんて、そこまで思い上がっていません。そんなことに奢り高ぶりたくないですしね。大体、僕なんかが人気者になるなんて、世の中、間違っている。土俵に上がる前に、顔や胸を叩いたりする僕の「気合入れ」の動作を面白がってもらえて、それで注目されるようになったみたいですけど、注目されるのはやっぱり嬉しいし、励みもなるし、何より、相撲を見てもらえるのがありがたいです。ただ本音を言えば、僕の相撲取りとしての理想の姿は、昔の力士みたいに、強くて無口な感じの人。黙って強さを証明する関取を目指しているんですけど、そういうのができないんです。だから自分はまだ、人気より、実力をつけたいと思っているんですけどね。
Y:高見盛関は、本場所は強いけど稽古に弱いと言われていますよね。稽古では、幕下相手にも勝てないとか。一般のスポーツ選手は、練習に強くて本番に弱いというその逆パターンがほとんどなので、高見盛関は珍しいケースです。なぜなんでしょう。
K:自分でもわからないです。僕としては、稽古中も本番も一生懸命やっているつもりなんですよ。周りの人たちは「稽古中に手を抜いているからだ」と言いますけど、そんなことは絶対にありません! 僕はいつだって真剣です。ただ、稽古中に力を発揮できないのに、本番になるとエネルギーが沸いてくるのは子供時代から。小さい頃に組み込まれたものなんですかね。自分は、他の関取より弱いと思っているので、土俵に上がる時は全気合いを入れないと勝てないから、気持ちが稽古とはちょっとまた違ってくるのかもしれません。
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