インタビュー・文/吉井妙子
4年に1度のバレーボールのビッグイベントで、来年夏のアテネオリンピックへの出場権をかけ
た「ワールドカップバレーボール2003」が11月1日から日本で熱戦が繰り広げられている。越谷
章選手は今春、初の全日本入りで、いきなりワールドリーグでスタメンデビューしたヤングパワ
ー。身長は高くないが、空中で舞うような豊富なジャンプ力と堅いサーブレシーブで、戦力とし
て計算できる実践派だ。ワールドリーグで痛めたひざ、アジアチャレンジでは腰痛と、故障の不
安はあるものの、日本にとって彼の存在は不可欠だ。ワールドカップ本番を目前にした心境をス
ポーツジャーナリストの吉井妙子氏がインタビューした。<10月13日 高知合宿にて>
【WorldCup 2003:世界の強豪チーム12カ国が激突する熱戦の模様をフジテレビ系列では独占中継する。日本戦については、全戦(男女)22試合をゴールデンタイムで放送する。】
Y:中学の時はさわやか杯で全国優勝、釜利谷高校時代は春校で準優勝、インターハイ優勝、順天堂大学に進学後は16年ぶりに同大を関東一部リーグ優勝に導き、東レに入社した昨シーズンはVリーグで大活躍して新人賞を獲得。経歴を見る限り、バレー選手のエリート街道をまっしぐら、という感じですね。
K:そうですね(笑)。な〜んて、全然違いますよ。今年の春に全日本に招集された時は、僕なんか入っちゃっていいのかな、と悩んだくらいですから。今考えれば、大学までは甘〜いバレー人生を送っていました。全日本には今年の春にトライアウトを受けて、選抜していただいたんです。Vリーグで新人賞をもらったので、田中(幹保)監督からトライアウトを受けてみないかと誘われました。でも、選ばれてはみたものの、もっと実力や体力をつけてから参加した方がいいんじゃないかと、結構悩みましたね。最終的に決断したのは、やっぱり、全日本は高校時代から憧れの存在だったから。もし、参加して通用しないことがあっても、自分でどの辺がダメなのかわかるじゃないですか。自分の足りない部分を明確にするのも、僕の今後のバレー人生のためには必要なことだと思ったんです。
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