インタビュー・文/吉井妙子

今シーズンのフォーミュラ・ニッポンも、もてぎと鈴鹿を残し、残り2戦。ドライバーズ・ポイントで首位を走る本山哲選手だが、9月21日の山口県・MINEサーキットで行われた第8戦では、不覚にも13位とノーポイントに終わった。チャンピオン決定の瞬間は次戦・もてぎへと持ち越された。第8戦の翌日(9月22日)にスポーツ・ジャーナリストの吉井妙子が、本山哲選手にインタビューをした。
Y:フォーミュラ・ニッポンでは相変らずの速さを見せていますね。しかし年間チャンピオンがかかった第8戦のMINEではチームメイトのブノワ・トレルイエと接触し、総合優勝は次戦のもてぎに持ち越しになりました。
M:レースアクシデントですけどね。でも、自分に腹が立ちましたよ。残り3戦あって、2位のブノワには21ポイントも差をつけているのだから、普通にレース運びをやっていれば年間チャンピオンを手にできた。極端な話、4位を2回でもいい訳だから。なんで、もっと楽なレースをしなかったのかな、って。でも、理屈ではわかっているけど、ハンドルを握るとそのレースに勝つことしか考えられなくなる。目の前にいるマシンは抜きたい。MINEは抜きづらいコースだし、無給油で走る作戦のマシンがあったりで、僕が給油やタイヤ交換でピットインしてコースに戻ると前にマシンが団子状態だった。とりあえずすぐ前のブノワを抜かないと遅れてしまう、と焦っちゃったのがいけなかったのかな。あんなアクシデントはあったけど、ブノワとはレース終了直後も普通に話しましたよ。いくら僕がポイントで有利といっても、アイツだってチャンピオンを狙っているだろうから、そう簡単には僕に道を譲ってくれない。今の関係だったら、ああいうこともあり得る状況なんです。
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