Y:でも、2ヒート制だと一日に2回も高い緊張感を作らなければならないので、選手の負担が大きいんじゃないですか。
M:いや、そうでもない。普通のレースはだいたい1時間半。ピーンと張ったピアノ線のような緊張感を1時間半保ち続けることの方が辛い。レース中盤ぐらいからストレートでほんの一瞬、心の緊張を緩めることができるけど、あとは高い次元で集中し続けています。例えば、2位を大きく引き離していても、レーシングカーというのは繊細なのでいつ壊れるかわからないし、ギアチェンジを一回失敗するとそこでギアが痛んでしまったりとか、エンジンが壊れてしまう可能性が常にあるし。ほんの少しでも気を抜くと、そんなしっぺ返しが必ず来るんです。それにうちのチームは星野(一義)監督の魂が注入されているので、いつも全力。どんなにぶっちぎっても最後まで全力で走れと。極端な話、ハイパフォーマンスで全周走ればマシンの負担は凄く大きくなるんですけど、マシンが壊れても全力で走って欲しいと言われますから(笑)。
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