インタビュー・文/吉井妙子

YOSHII:四年に1度のワールドカップが迫っています。しかも日本での開催。全日本のキャプテンとして期するものがあると思います。
YOSHIHARA:5月に新生全日本が発表され、監督もメンバーも大幅に変わってワールドリーグなどを戦って来ましたが、このチームは練習を積めば積むほど、試合を重ねれば重ねるほど、強くなって行く手応えがありますね。シドニー五輪の出場権を逃した時のメンバーがいるせいか「勝ちたい」という気持ちが、ワントス、ワンレシーブ、ワンスパイクに感じます。ただ、正直に言えば、私が全日本に招集されるとは考えてもいませんでした。アトランタ五輪に出場した後、全日本には6年間も縁がなかったので、このまま日の丸を背負う機会はないと考えていました。今年33歳だし、もう第二の人生を考えなければならない、と思っていた矢先の招集だったんです。
YOSHII:でも、水面下ではずっと「吉原復帰待望論」がありました。誰もが認める「日本一のセンター」だし、現役では数少ない五輪経験者。その知恵と精神力、経験を次世代の選手に伝えるのが吉原選手の義務だと思います。
YOSHIHARA:もちろん私の経験を評価して下さるのなら、いくらでも伝授します。でもその伝え方というのが難しいですね。私はもともと口下手だし、話術も巧みではないので、言いたいことがあるとストレートに言ってしまう。そうすると「あんなことを言われた」とか「こんなことを言うなんて信じられない」と、逆に引かれてしまうことがあるんです。私にすればただ単にもっといい試合をして欲しいから、アドバイスをしたつもりなんですけど、相手によって受け取り方が違うので、本当に難しい。そういうことが続くと、余計な摩擦を起こしたくないから、ますます口数が少なくなっちゃうんですよ。バレーはチームプレイだし、チームワークを乱したくないという本能が自己規制してしまっていたんです。でも、全日本を引き受けた以上は、その考えは改めないといけないと思っていますけど。
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