◎インタビュアーの目
インタビュー中、吉原選手は何度も「私は男の子に生まれたかった」と繰り返した。その言葉の裏には、女子バレーという団体の中で個性を発揮する難しさ、あるいは長年「日本のお家芸」といわれてきたバレー界の伝統に呪縛され、新しい試みをやりたくとも出来なかった無念さが感じ取れる。セリエAに在籍中は、表情も心も精神も弾んでいた。吉原選手は「これが私の本当の姿」と笑っていた。ローマに移籍してすぐにスタメンのポジションを獲得し、チームを準優勝にまで導いた。バレーに対する知識、戦術、フォーメーションの組み方、そして勝利に対する執着心は、日本一ではないかと私は確信する。吉原選手の知恵と経験を、何とか関係者が引き出してやれないものかと思う。吉原選手は「バレーは一人では出来ない」というが、易きに流れようとするのではなく、周りを自分の目線まで引き上げれば、間違いなく女子バレーは強くなる。しかも、全日本の女子バレーの選手は意識の高い選手が揃った。勝つための方法論を今のメンバーに次ぎ込むのは、唯一五輪を経験している吉原選手のミッションである。
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