インタビュー・文/吉井妙子

2003年8月20日 フジテレビにて
YOSHII:8月10日に行われたPRIDE GRANDPRIX 2003 開幕戦では強さと巧さを見せていただきました。入場の時からピーキングに成功したような表情をしていて、心身のコントロールは柔道の現役時代と変わらないと思いました。
YOSHIDA:最高のパフォーマンスが発揮出来るように精神や身体を自己コントロールするピーキングは、経験から培ったものが大きいと思う。若い選手は、自分の実力を大きな舞台で発揮できない人が多いけど、それはまだ自己支配が出来ていないからです。僕だって、初めて世界選手権に出場した大学生の時は、緊張のせいで力が発揮出来ず3位でしたから。経験は知恵になり、知恵の集積は知識になる。知識になった時点で、自分の心理状態や試合の流れなどが読めるので、緊張はしなくなりますね。PRIDEの試合の時も、直前までおちゃらけていましたよ。でも、入場の時に切り替えた。ピーキングに成功したように見えたんであれば嬉しいな。トップアスリートの本能をまだ持っている、ということですから。
YOSHII:繊細な感覚も失っていない。93kg以内という体重制限の中で、1ケ月間で体重を10kg落とし、試合当日には92.9kgにしてきたそうですね。100g単位で自分の体重が分かるんですか。
YOSHIDA:だいたい分かりますね。その日の自分の代謝を考えて、一晩寝れば朝まで何g減るというのは想定できます。試合当日の計量までに、おしっこして唾を吐けばどのくらい減るというのを計算しながら減量するんです。でもね、体重別に出場している柔道の選手たちは、少なくともトップにいるような選手たちは、それぐらいの感覚は皆持っていると思いますよ。古賀(稔彦)先輩なんかは僕以上に細かかった。精密機械のような人です(笑)。
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