第三章「もう一つの38度線」
「マイノリティーの我々は一刻も早く和解すべきなんだ!」
ミンジのホームステイ先となった方山氏(方=パン 列杰)は、そう主張する。
方山氏は母と妻、そして4人の娘と江東区枝川で焼肉店を営む。
「38度線」からやってきたミンジは、等身大の"在日"の生活を目の当たりにする。日本の朝鮮人が「朝鮮総連」と「韓国民団」に分裂してから半世紀。昨年、歴史的な和解が一旦は成立したが、テポドン騒動で蜜月はわずか2ヵ月で終わった。しかし、実際の彼らの生活は、実は時代とともに変化していた。

方山氏は釜山の出身、つまり韓国人。しかし四女は現在、総連系の「朝鮮学校」の3年生。…いまや朝鮮学校の生徒たちは「民団」も「総連」も混じっているのだ。その教室には「金日成・金正日」親子の写真はない。なぜ韓国人の彼女が朝鮮学校に通うのか? その大きな理由は「ハングルが喋れるようになるから」。日本人帰化を最優先にする韓国人学校では韓国語教育はあまりされないため、在日は学校を自由に選択する。これが現在の在日社会だ。

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