海峡を渡る
バイオリン

1950年、6月、朝鮮戦争が勃発、母からの音信は途絶えたままながらも夢をかなえるまでは帰れないと世界最高峰のバイオリンを作る夢を追い続けるのだった。
バイオリン作りの弟子入りを断られ続けた昌鉉は、ついに木曽の山中に行き着き、建設現場で働いていた。日本に来て14年がたった28の頃のこと。
バイオリン作りのための道具を買い求めに行った古道具屋で昌鉉は18歳の南伊子(菅野美穂)と運命的な出会いを果す。出会った瞬間に心奪われた昌鉉はすぐに父、幸造(笑福亭鶴瓶)に南伊子との結婚を懇願する。門前払いを食らう昌鉉のさびしい後姿からなぜか南伊子も目が放せないのだった。
南伊子は自ら昌鉉の掘っ立て小屋を訪ねる。昌鉉の仕事を目の当たりにした南伊子は、その美しい仕事に胸を衝かれる。2年の父親への説得の末、ついに二人は結婚する。
貧しく、何もない二人だったが、バイオリンへの情熱と、夢のために懸命に生き、その毎日はキラキラと輝き幸せだった。そんな昌鉉と南伊子のことを医師でありバイオリン指導者でもある丸山恒夫(田中邦衛)は心配しながらも、最も近いところで常に支え続けるのだった。やがて長男が生まれ、韓国でも日本でも激動の時代が続いていたが、昌鉉はひたすらバイオリン作りに全身全霊を注いでいた。しかし自己流の昌鉉の作るバイオリンを理解してくれるものはなく、楽器店を訪ねるも買い取ってくれるものはいなかった。

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