ジャンクSPORTS
制作部長室

同伴競技者へのマイク設置交渉やプレー中のゴルフ場上空にヘリを飛ばす等、ワイドショー関係者の突撃精神と取材魂からするとある意味"当たり前"なのかもしれませんが、我々スポーツ制作者からすると同業者とはいえマナー違反もいいところ。
同様にギャラリーの皆さんもゴルフを知らない方々が多数集まった為、スイング中にシャッター音を鳴らしたり歩き出したり、普段のトーナメントとは大分趣が違ったようです。

しかし、こうした事は経験をしてみて初めて分かる事。
勇み足をして、批判を浴びて、反省して…、そうしてスポーツ観戦に対する文化が成熟してくのだと理解したいと思います。
それより私は、普段ゴルフに無縁なメディアや一般のファンの方々が石川遼選手を通じてゴルフの魅力に接してくれた事に価値を見出します。

15歳の石川選手は本当に立派だったと思います。
朝早くから囲みの取材に笑顔で応え、プレー中も多数のメディアやファンに揉みくちゃになり、毎日プレー後にはインタビューに笑顔で答え…。
問題は、こうした局面を如才なく乗り切る15歳の若者に対して「調子に乗ってるんじゃないか?」と批判する人が出てくる事です。
もう既に何人かのコメンテイターがこうした発言をするのを聞きました。
違うんです。
"混乱を避ける為に"代表取材に真摯に答え、スコアが伸びなくても突き出されたマイクや向けられたカメラを意識せざるを得ない"状況"にあるのだと思います。
宮里藍選手が凄かったのは、同様にこうした注目を一身に集めながらも要所、要所で勝ち星を重ねていったところです。
石川遼選手がこの先、こうした環境に潰される事無く男子ゴルフ界の"王子"であり続ける為に、本人のみならず我々メディア関係者やファンのモラルと良識が問われるのではないでしょうか。

6月11日

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